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医療ドラマや実際に自分で病院に入院・通院したい際に耳にする機会もある単語です。

ですが、その意味も正しく理解していない人は案外多いのではないでしょうか。

病院では医師、薬剤師、理学療法士など様々な専門職が24時間365日関わっていますが、実際にその中でも患者さんと実際に関わる機会が最も多いのは看護師かもしれません。

一人一日6、7人と複数人の患者を受け持つ事もある看護師は、日々より効率的且つ効果的に動く事が求められます。

このように患者さんに効率的な看護を提供する方法を「看護ケア提供システム」と言うのですが、このシステムも複数の種類に分類されています。

プライマリーナースをより理解できるように、これらの提供システムについてまず簡単に説明したいと思います。

 

●機能別看護

 

内容:看護ケア提供システムの一つに、「機能別看護」があります。

これは看護師長のもと、看護師を、例えば検温係、与薬係、処置係などのグループに分けそれぞれのグループが連携して患者さんに処置を行います。

つまりは業務の係を決定し、看護を行う形がこの「機能別看護」です。

 

利点:仕事役割毎にグループを構成し看護を行う事で、日々の業務がより効率的に進められます。

また、看護師にも新人からベテランまで様々な為、それぞれのレベルに応じた業務を割り当てる事が出来ます。その為、実力不足からくるインシデントは多少防ぐ事が出来るというメリットがあります。

 

欠点:自分の担当業務以外では患者さんと関わる機会が少ないため、患者看護師間の信頼関係の構築が難しいです。また、毎日定められた業務を繰り返し行う事になる為、看護師の満足感には繋がらない傾向が示唆されています。

 

●チームナーシング

 

内容:機能別看護と同様に看護師長をトップとしますが、チームナーシングでは更にその下にチームリーダーが存在します。そして各チームリーダーのもと複数人の看護師がつき複数人のグループが構成されます。そしてそのチーム内で複数人の患者さんを共同して受け持ちます。

 

利点:チームメンバー全体で患者さんへの対応が考えられるので、より多面的な意見を募る事が出来る点が強みです。

従って患者さんに、よりエビデンス水準の高い質の良い看護を提供する事が出来るとされています。

またその患者さんについて一人で背負う事がなくなる為、看護師のメンタルにとってもよい方式であると言えます。

 

欠点:より多くの看護師が患者さんに関わる事になるので、万が一インシデントが生じた際に、責任の所在が不明瞭になりにくいです。また、日々看護師が入れ替わり立ち代わりしますので、患者さん側からすると、どの看護師が自分の担当で、誰に自分の病状を話せばよいか分かりにくいとされています。

 

●プライマリーナーシング

 

内容:プライマリーナースが登場するのがこのシステムです。1970年代にアメリカで開始されたとされており、プライマリーナーシングでは、複数人の患者に対して一人の看護師が入院から退院まで担当します。

プライマリーとは「主な」「主要な」といった意味合いを持ちますが、この様にその患者さんをメインで担当する看護師の事をプライマリーナースと呼びます。

その性質から、「受け持ち看護師制」とも呼ばれる事があります。

入院から退院まで包括的にケアを実施するために、それぞれの患者さんや家族のニーズに合わせたアセスメント、看護計画立案、看護ケア実施を行う事となる為、看護師に対してよりレベルの高い内容が求められます。

 

利点:主体となる看護師が決定される事によって、患者さんのより細かいニードに気づき、把握し、対処しやすくなるという点が挙がります。また、日々の業務からも患者さんと看護師間の信頼関係が構築されやすいという点もプライマリーナーシングの強みです。

 

欠点:自分のアセスメント、実施内容が直接的に受け持ち患者さんに反映されますので、プライマリーナーシングでは自分が担当する患者さんに関して特に責任が重くのしかかります。

またチームナーシングとは異なり、患者さんの容態などに関して他の看護師との共有がやや難しくもなりますので、孤独を感じる事があり、結果としてバーンアウトなどに繋がってしまう事もあります。

その為、看護師をメンタル・フィジカル共にサポートする事が重要であると示唆されています。

現在高齢化率が約25%と超高齢社会に突入している日本では、病院に入院している患者数も決して少なくありません。

その中で全ての患者に平等に医療が行きわたる様、より効率的且つ効果的に看護が提供できるようなシステムは非常に重要となります。

ですがそれぞれのシステムに強みがある反面、欠点も存在します。

その欠点に目を向け、それを補えるように常に意識を向ける事が必要です。病院ごとに行っている方式は異なりますので、もし自分が病院に就職する際、または入院する際どのシステムが自分にとって心地よいものかを事前に確認しておくとよいでしょう。