血液には体内のすべての臓器や組織に由来する物質が含まれています。そのため、血液検査を行うことで血液中の個々の物質の変動を知ることが出来ます。物質の変動を知ることで、その背景にある身体状況を把握することが出来ます。

また、血液検査は採血の条件や血清分離、保存の状況によって測定値が大きく影響を受けます。採血方法、保存方法は各検査項目の指示された方法を守ることが重要です。

血液検査各項目、基準値について説明します。

 

白血球は微生物の侵入による防御作用があります。

高値では急性、慢性白血病や感染症(肺炎、虫垂炎等)が考えられます。

また、低値では抗がん剤や放射線治療による骨髄抑制、免疫性好中球減少症等があります。

白血球数 WBC 4000~9000/μl

 

白血球分類

好中球は細菌性感染で増加します。

また、リンパ球は結核等で増加し、エイズ等で減少が見られます。

単球は多くの慢性疾患や慢性炎症、急性感染症ではその回復期、各種の腫瘍で増加します。好酸球はアレルギー性疾患や寄生虫感染時に増加します。

好塩基球は多くの慢性疾患で増加します。

好中球(棹状核) STAB     0~19%

好中球(分葉核) SEG     28~68%

リンパ球     LYMP    17~57%

単球       MONO    0~10%

好酸球      EOSINO   0~10%

好塩基球     BASO    0~2%

 

赤血球数やヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値は貧血や血液系の疾患の診断に用いられます。貧血は3種類の中のいずれか、またはすべての値が減少します。特に酸素運搬機能を表すヘモグロビン濃度は重要な指標となります。

赤血球数     RBC    男性410~530×10/μl

女性380~480×10/μl

ヘモグロビン濃度 Hb     男性14~18g/dl

女性12~16g/dl

ヘマトクリット値Ht      男性36~48%

女性34~43%

 

赤血球指数

平均赤血球容積       MCV  83~93fl

平均赤血球ヘモグロビン量  MCH  27~32pg

平均赤血球ヘモグロビン濃度 MCHC 32~37%

 

赤血球沈降速度の亢進の有無によって、γグロブリンが増加する炎症や組織壊死、悪性腫瘍などがわかります。

赤血球沈降速度      ESR  男性2~10mm/hr

女性3~15mm/hr

 

血清中に含まれる蛋白の一つです。急性炎症で増加します。

C反応性蛋白 CRP 0.3mg/dl以下

 

血清総蛋白濃度は肝障害、ネフローゼ、栄養不良で低下し、脱水で上昇します。

アルブミングロブリン比は感疾患、ネフローゼ、多発性骨髄腫、膠原病等の疾患等の検査に用いられます。

血清総蛋白濃度     TP   6.8~8.2g/dl

アルブミングロブリン比 A/G  1.6~2.4

血清アルブミン     Alb  3.9~5.1g/dl

 

総コレステロールと中性脂肪は脂質代謝異常を調べるために検査されます。

総コレステロール TC120~219mg/dl

中性脂肪TG 30~150mg/dl

 

逸脱酵素

逸脱酵素とは組織や細胞内にある酵素が血清中に遊離した状態を言います。

AST上昇で肝疾患、心筋梗塞、筋疾患、溶血性疾患等が疑われます。

ALT上昇で肝炎、肝硬変、肝癌等が疑われます。

LDHは心筋梗塞、白血病、悪性貧血、急性肝炎、筋疾患等で高値を示します。

ALPは胆道疾患、肝疾患、骨腫瘍等で高値を示します。

γGTPは胆肝癌、膵癌等で高値を示します。

AMYは膵疾患、唾液腺疾患で高値を示します。

アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ  AST  7~38U/l

アラニンアミノトランスフェラーゼ     ALT  4~44U/l

乳酸脱水素酵素              LDH  116~220U/l

アルカリフォスファターゼ         ALP  80~260IU/l

γ―グルタミルトランスペプチターゼγ―  γGTP 男性9~40U/l

女性9~35U/l

アミラーゼ                AMY 60~200IU/l

 

尿素窒素とクレアチニンは腎機能の指標とされます。

尿素窒素の上昇は重症肝障害や消化管出血脱水でも見られます。

尿酸は通風や腎結石、高血圧症、高脂血症等が疑われます。

尿素窒素      BUN 8~20mg/dl

クレアチニン    Cr  男性0.8~1.2mg/dl

女性0.6~0.9mg/dl

尿酸        UA  男性3.0~7.7mg/dl

女性2.0~5.5mg/dl

 

電解質バランスに異常がないか検査します。輸液などで適正な濃度に補正するなどの治療の指標となります。

ナトリウム     Na     135~145mEq/l

カリウム      K     3.5~4.9mEq/l

クロール      Cl    96~108mEq/l

 

血中アンモニアは肝性脳症、肝硬変、劇症肝炎で高い値となります。

血中アンモニア   NH3   30~86μg/dl

 

総ビリルビンは直接ビリルビンと間接ビリルビンをあわせたものです。

総ビリルビン    T-Bi  l0.2~1.0mg/dl

 

空腹時血糖は食事に影響されない空腹時に測定します。

グリコヘモグロビンは現在の血糖よりも1~2ヶ月前の血糖コントロール状態の指標となります。

空腹時血糖     FBS   70~110mg/dl

グリコヘモグロビン HbA1c 4.3~5.8%