膀胱洗浄とは膀胱内にカテーテルを挿入し、滅菌生理食塩水等を膀胱内に注入し排出することを繰り返し、洗浄することです。近年、カテーテル留置患者に膀胱洗浄をしないというのが一般的な考え方のようです。これは閉鎖式導尿回路を開放することによって感染の機会を高めてしまうこと、操作によって病原菌を体内に押し込む可能性が高いためです。しかし、尿路疾患や前立腺、膀胱の手術後で凝血塊によってカテーテルの閉塞が疑われるときや、尿道留置カテーテル使用中で、浮遊物や混濁がある場合に無菌的操作で実施されることもあります。今回は尿道留置カテーテル使用中の膀胱洗浄について説明していきます。

<目的>
カテーテル閉塞物の除去や膀胱内沈殿物を除去します。

<適応>
・ 尿路系疾患や前立腺や膀胱の手術後で、血尿が見られ凝血塊によってカテーテルの閉塞が疑われるまたすでに閉塞を起こしている場合
・ 尿路系疾患や前立腺や膀胱の手術後で、膀胱内に多量の凝血塊が貯留している場合
・ 尿道留置カテーテル使用中に浮遊物や混濁によりカテーテルの閉塞が疑われる場合

<注意事項>
・ 個々のケースによって膀胱洗浄するかどうか医師の指示を確認します。
・ 無菌的操作で行います。
・ 下半身を露出するためプライバシーに注意します。
・ 不要な露出は避けます。
・ 注入量、排液量、排液の性状の観察を行います。
・ ベッドサイドモニター装着中の場合は、膀胱洗浄中のバイタルサインの変化に注意します。

<必要物品>
・ 生理食塩水
・ 洗浄用注射器(50ml)
・ 防水シーツ
・ 滅菌カップ
・ 手袋
・ 尿器
・ コッヘル
・ 膿盆
・ 消毒綿
<手順>
1、 患者様に膀胱洗浄の目的、方法を説明し承諾を得ます。また、意識のない患者様にも声かけを行います。
2、 衛生学的手洗いを施行します。
3、 必要物品を準備します。滅菌生理食塩水を人肌程度に温めます。
・滅菌生理食塩水を人肌程度に温めることで、膀胱注入時の不快感や血圧低下の予防につなげます。
4、 カーテンを閉めるなどしてプライバシーを保護します。
5、 患者様の臀部の下に防水シーツを敷きます。そして、体位を整えます。
6、 手袋を装着します。
7、 滅菌生理食塩水を滅菌カップに移します。
8、 採尿口をはずします。
9、 排尿管側は消毒し、コッヘルでクランプしておきます。
・このとき接続部が不潔にならないようにします。
10、 カテーテルは排液をした後、滅菌した膿盆の縁に置きます。
11、 注射器の内筒に触れないように洗浄液を30~50ml吸い上げます。
・ 内筒を汚してしまうと、菌を膀胱内に押し込むことになり、尿路感染の原因になります。
12、膀胱内に静かにゆっくりと注射器に吸い上げた滅菌生理食塩水を注入します。
・勢いよく注入すると膀胱粘膜を傷つける可能性があります。
・注入量もカウントします。
13、注射器をカテーテルからはずして自然排出させます。排液は尿器にいれます。排液の正常や量も観察します。
・ 排液がない場合や少ない場合はカテーテルの先端の穴が凝血塊、浮遊物などでふさがれている可能性が考えられます。
・ 血液が多少混入していても心配ありません。しかし、量が多い場合や出血が続く場合は膀胱洗浄を中止します。バイタルサイン確認後医師に報告します。
・ 患者様が痛みや不快感を訴えられる場合があります。その時は、注入速度が速くなかったか、洗浄液の温度が高すぎたり、低すぎたりしていないか、出血はないかといった確認をしましょう。
14、滅菌食塩水を注射器で吸い上げ、注入、自然排出の操作を排液が綺麗になるまで行います。
15、洗浄終了後は、カテーテルの端、採尿口を消毒綿で消毒しつなぎます。コッヘルははずします。
16、手袋をはずします。
17、カテーテルのねじれがないか、固定はしっかりされているか確認を行います。
18、患者様に終了したことを告げます。
19、下着や衣服、掛け物を整えます。
20、尿の流出を確認します。
21、後片付けを行い、記録をします。
・膀胱洗浄実施時間、洗浄液名、量、排液の性状(混濁、浮遊物、混入物、出血の有無と性状)、施行仲の患者様の訴え等を記録します。