インスリン注射は糖尿病によって不足している一時的または持続的なインスリン作用を補うために体外からインスリンを注射する方法です。経口薬よりも確実に血糖コントロールを行うことが出来ます。インスリンが絶対的に不足しているⅠ型糖尿病患者様にとっては生命維持のために不可欠となります。


現在インスリン注射器具にはペン型のものと専用注射器があります。患者様の大半は自己注射管理がしやすいペン型が使用されています。
また、ペン型にはカートリッジ型とプレフィルド型があります。
カートリッジ型はカートリッジ製剤を専用注入器に組み入れて使用します。
プレフィルド型は注射器自体にインスリンが充填されており、使い捨て使用になっています。カートリッジ充填する必要がなく、不潔になりにくく、長期使用による注入機の破損や故障が少ないという利点があります。

<適応>

・ Ⅰ型糖尿病患者
・ ケトアシド-シス、高浸透圧昏睡のとき
・ 経口剤によって十分な血糖調整が得られないとき
・ 経口剤の副作用があるとき
・ 妊娠計画中、妊娠中、授乳中で血糖コントロールが必要な場合
・ 糖毒性を早急に解除する必要がある場合
・ 軽症例を除いた肝疾患や腎疾患があるとき
・ 軽症例を除いた感染症、外傷、手術時

<注射部位>

・ 上腕外側部
・ 腹部
・ 大腿上半外側部
同一部位に繰り返して注射することで硬結を生じます。そのため3cm間隔でずらして注射していきます。

<必要物品>

・ 医師の指示に基づいたインスリンプレフィルド製剤

  • またはカートリッジ製剤+専用注入器
  • ペンニードル

 

  • アルコール綿
  • 針捨てBOX
  • <カートリッジ製剤の組み立て方>
  • インスリンホルダーと本体をまわしてはずします。
  • インスリンホルダーにカートリッジを入れます。
  • ピストン棒リングを回してピストン棒を本体に入れます。
  • インスリンホルダーと本体を組み立てます。

<注意事項>

・ カートリッジ製剤は一度組み立てたらインスリンホルダーを本体からはずさないようにします。
・ 必要単位数以上にダイアルを回してしまった場合は、そのまま打ったり、無理に逆に回してはいけません。注入ボタンを押すことにより、単位を0に戻しリセットします。
・ 注射後はすぐに注射針をはずします。注射針をつけたままにしておくと空気が入ったり、液漏れを起こします。

<手順>

1、 患者様の準備をします。
・ 患者様にこれからどのような目的、部位にインスリン注射を実施するか説明し承諾を得ます。意識のない患者様にも声かけを行います。
2、 衛生学的手洗いを実施します。
3、 必要物品を準備します。
・ 医師の指示に基づいたインスリン、単位、投与時間を確認します。
・ 白濁しているインスリンは均一に白濁するまで混ぜます。
・ ゴム栓をアルコール綿で消毒します。
・ 注射針を取り付けます。
・ 単位合わせダイアルを2に回します。
・ 針先を上に向けてホルダー上部を軽くはじいて気泡を上に集めます。
・ 注入ボタンを最後まで押して空気を出し、インスリンが出ることを確かめます。
・ 単位あわせダイアルを回して指示された単位数に設定します。
4、 患者様に氏名を名乗ってもらい本人であることを確認します。意識のない患者様はネームバンドで確認します。
5、 注射部位を消毒します。主に腹部が使用されます。注射ごとに注射部位を変えます。
6、 ペンを持っていないほうの反対の手で注射部位の皮膚を掴みます。
7、 ペンの針が垂直に刺さるように、ダイアル表示の窓が見えるように穿刺します。
8、 注入ボタンを10秒程度かけてゆっくり押します。
9、 ダイアル表示が0になっていることを確認し、注入ボタンを押したまま引き抜きます。
・押したまま引き抜くことでカートリッジ内に血液が逆流することを防ぎます。
10、 アルコール綿で注入部位を軽く抑えます。
・注射部位をもまないようにします。もむことにより、インスリンの広がりが早まり、本来期待された作用ではなくなってしまいます。
11、 針ケースを注射針にかぶせ、まわしながらはずします。
12、 注射針は針捨てBOXに廃棄します。
13、 患者様に終了したことを告げ、衣服を整えます。
14、 片づけを行い、記録します。
・インスリン注射実施時間、インスリンの種類、単位、注射部位等を記録します。