心臓の洞結節で始まる電気刺激は、心臓の周囲の組織に広がり、体の表面まで伝わります。この電流を体の表面に付着した電極からキャッチして心臓の心拍ごとに起こる電気的エネルギーの時間的な変化を測定するものが心電計です。その活動電位を大きく増幅してグラフにしたものを心電図といいます。
心電図は標準肢誘導、単極肢誘導と単極胸部誘導の12誘導をとる方法が一般的に用いられています。

標準肢誘導

Ⅰ 左手と右手間の電位差
Ⅱ 右手と左足間の電位差
Ⅲ 左手と左足間の電位差

単極肢誘導

aVR  右手の不関電極(左手と左足の結合電極)に対する絶対値
aVL 左手の不関電極(右手と左足の結合電極)に対する絶対値
aVF 左足の不関電極(右手と左手の結合電極)に対する絶対値

単極胸部誘導

V1 第4肋間胸骨右縁(赤色)
V2 第4肋間胸骨左縁(黄色)
V3 V2とV4の中間点(緑色)
V4 第5肋間左鎖骨中線(茶色)
V5 第5肋間左前腋窩線(黒色)
V6 第5肋間左中腋窩線(紫色)

 

 

 <目的>

・ 主に循環器疾患の診断に必要な検査です。

<適応>

・ 心筋梗塞、心筋炎、心筋症、心膜炎、心房負荷、心室肥大などの心筋の異常の判定と診断の補助
・ 不整脈の診断と病態の解析
・ 電解質(カリウム、カルシウム)異常の診断
・ 薬物の作用、副作用の判定と評価
・ 疾患の予後についての評価
・ 自律神経系の緊張異常の判定
・ 心臓の位置、電気軸の変化の判定

<必要物品>

・ 心電計
・ 記録用紙
心電図の記録用紙には1mmごとに細い線、5mmごとに太い線が引かれています。
心電図では横軸に時間が表示されています。1mm=0.004秒、5mm=0.2秒です。
・ 電極シール
・ バスタオル等の掛け物

<注意事項>

・ 上半身を露出するため寒さを感じないように室温は20~25度で設定します。
・ ベッドは患者様が手足を伸ばして楽に寝られるサイズのものとします。
・ 胸部を露出するため不要な露出は避け、プライバシーに配慮します。

<手順>

1、 患者様に心電図をとる必要性、方法を説明し承諾を得ます。意識のない患者様にも声をかけます。
2、 部屋の温度を確認します。
3、 物品を準備します。
・ 記録用紙が十分であるかを確認します。
4、 患者様に準備をしてもらいます。
・ 患者様にリラックスし、深呼吸は控えてもらいます。
・ 排尿や排便がある場合は済ませてもらいます。
・ 皮膚の表面に汚れがある場合は酒清綿や蒸しタオルでふき取ります。
・ 腕時計やネックレスを装着している場合ははずしてもらいます。
・ ストッキングをはいている場合は脱いでもらいます。
5、 付近に電気製品がる場合は電源を切ります。
・ノイズ(心電図をとる上で障害となる電気信号のすべて)の混入を避けるためです
6、 心電計の電源コードを差し込みます。
7、 プライバシー保護のためカーテンを閉めます。
8、 患者様に足首が見えるまで靴下を下げ、上半身裸になり、ベッドに仰臥位になってもらいます。
・両上肢は体幹から約10cm離し、両踝間を約10cm離してもらいます。
9、 患者様の胸部に電極シール、四肢(両手首足首)に電極を正しい位置に装着します。
・赤色‥右手 黄色‥左手 黒‥右足 緑‥左足
10、 心電計を電極シールに装着します。
11、 心電計の電源をONにします。
12、 記録感度が1mV/cm、記録用紙搬送速度が25mm/secであることを確認します。
12、患者様に今から検査することを説明し、会話や深呼吸、動かないように説明します。
13、心電計のスタートボタンを押します。
14、波形がうまくとれていることを確認します。波形がうまくとれていない場合は再度測定しなおします。
15、測定が終了したら、終了したことを患者様に伝えます。
16、衣服を整えます。
17、記録用紙に月日、時間、患者氏名を記載します。
18、報告が必要な波形の場合は医師に報告します。