腰椎穿刺とは腰部くも膜下腔を経皮的に穿刺して髄液圧の測定や髄液を採取し、中枢神経系および髄膜の病変を知るために行われる検査です。髄液とは、無色透明な液体で、脳室やくも膜下腔を満たして、脳や脊髄を覆っています。中枢神経系への外部からの衝撃を保護する役割を担っています。今回は、腰椎穿刺介助方法について説明します。

<目的>

・ 髄液圧の測定 基準値:仰臥位で60~180cmH2O
髄膜炎の場合は髄液圧が上昇します。
・ 薬物の髄腔内注入
・ 髄液排液による減圧
・ 細胞診
・ 髄液の性状観察

正常 水様、透明
細菌性 混濁、膿性
結核性、真菌性 水様、黄色調
ウイルス性 水様
くも膜下出血の場合 血性

<適応>

・ 髄膜炎
・ 脳炎
・ くも膜下出血
・ ギランバレー症候群
・ 血液腫瘍の脳神経浸潤等

 

<禁忌>

 

・ 頭蓋内圧亢進症状が著しい場合
⇒髄液採取により脳圧が一気に低下し、脳ヘルニアを起こす危険性があります。しかし、頭蓋内圧亢進のような場合で脳ヘルニアを起こす危険性がない場合には禁忌とはなりません。
・ 穿刺部位に感染巣がある場合
・ 脳出血の場合
⇒新たな出血を起こす可能性があります。
・ 脳腫瘍の場合
・ 頭蓋内損傷
・ 循環不全、腰椎穿刺に耐える体力の内場合

<合併症>

・ 髄液の漏出
・ 髄膜刺激症状
・ 出血
・ 感染
・ 局所麻酔によるショック
・ 脳ヘルニア

<腰椎穿刺における看護の要点>

1、 検査の説明を行い患者様が安心して検査を受けられるように援助します。また、検査中に協力を得られるようにします。
2、 検査がスムーズに行えるように医師への無菌操作での介助を行います。検査中の患者様の痛みや不安を和らげるように援助します。
3、 患者様が術後に安静が取れるように援助し、異常の早期発見に努めます。

<検査前>

1、 患者様が医師から説明を受け腰椎穿刺に同意したことを確認後、検査のオリエンテーションを行います。
・ 検査前の飲食禁止
・ 検査の目的
・ 所要検査時間の目安
・ 検査を行う場所
・ 穿刺部位
・ 針穿刺時の圧迫感
・ 検査中の体位(側臥位になり両膝を腹部に寄せて両手で抱え込むようにしたエビのような体位)
・ 検査中に咳嗽をしない
・ 検査中に突然動かない
・ 検査後は枕をはずして仰臥位で約2時間安静にする
・ 当日の入浴は避ける
・ 検査終了後1~2時間は飲食を避ける

2、 患者様の検査データを確認します。
・ 血小板、血液凝固系、感染の有無、局所麻酔に対するアレルギーの既往

3、 必要物品と検査室の準備を行います。
・必要物品:スパイナル針、局所麻酔薬、注射針(18G、23G)、注射器(5ml2本)、滅菌スピッツ、圧測定用ガラス棒、三方活栓、滅菌ゴム手袋、消毒綿球(イソジン綿球、ハイポアルコール綿球)滅菌敷布、穴あき敷布、処置用シーツ、摂子、滅菌ガーゼ、膿盆、伸縮性のあるテープ、使用済み物品を捨てる袋
・ ベッドの上に処置用シーツを敷きます。
・ 処置用ワゴンの上に滅菌敷布を敷いて清潔野を作り、医師の作業しやすいところに準備します。
・ ベッドを医師が処置しやすい高さに調節します。
4、 患者様のバイタルサインを測定しておきます。
5、 患者様に排尿を済ませてもらいます。
6、 患者様の体位を整えます。
・ 穿刺部位を中心に背部が露出するように上着を持ち上げ、ズボンと下着は腸骨の下まで下げます。
・ 医師に背をむけ、側臥位になり両膝を腹部に寄せて両手で抱え込むようにしたエビのような体位でお臍を見てもらうようにします。
・ 体位に固定の補助が必要な場合は、看護師が患者様の正面から患者様の肩と膝を抱えるように保持します。
7、 衛生学的手洗いを実施します。

<検査中>

1、 穿刺部位の消毒を介助します。
・ 医師に摂子とイソジン綿球を渡します。
2、 医師に滅菌手袋を渡します。
3、 医師が滅菌手袋を装着後、穴あき敷布を渡します。
4、 局所麻酔介助を行います。
・ 医師に無菌操作で注射器と注射針を渡すか、清潔野に注射器と注射針を無菌操作で落とします。
・ 局所麻酔薬のゴム栓を消毒し医師が穿刺しやすいように介助します。
5、 穿刺を介助します。(穿刺部位は第3~4腰椎間または第4~5腰椎間。ヤコビー線の高さに一致した所です。)
・ 医師に5ml注射器と穿刺針を無菌操作で渡します。

ルンバール

 

6、 患者様に穿刺する事を伝え、咳嗽や急に動かないように声をかけます。
7、 医師の穿刺後、患者様に下肢の痺れや痛みの有無を確認します。
8、 髄液圧の測定と髄液採取の介助を行います。
・ 圧の目盛りを読みます。
・ 穿刺針の清潔野に触れないように滅菌スピッツを近づけて髄液の採取を行います。
9、 穿刺針の抜去後、穿刺部位の圧迫を介助します。
・ 医師が穿刺針を抜去したら、滅菌ガーゼを渡します。
10、穿刺部位の消毒と圧迫固定を介助します。
・止血確認後、穴あき滅菌敷布をはずして、医師に摂子とイソジン綿球を渡します。
・ 次に滅菌ガーゼを渡します。
・ ガーゼ周囲についた磯人をハイポアルコール綿球でふき取り、乾燥してから伸縮性のテープで固定します。
11、患者様に終了したことを告げます。
12、患者様に枕をはずして仰臥位で約2時間安静にすることを伝え、具体的な安静解除時間を知らせます。
13、後片付けと記録を行います。
14、滅菌スピッツに患者名、日付等のラベルを貼ったり、記載を行います。そしてすぐに検査部へ提出をします。

 

<検査後>

患者様の状態観察、記録を行います。

・バイタルサインの変化の有無、頭痛、めまい、嘔吐、背部痛、けいれん、意識レベルの低下、神経症状の有無、髄液の漏出がないか観察します。

・安静が守られているか確認します。