血圧とは心臓が全身に血液を送り出すときに、左心室の収縮によって生じる圧力が大動脈を通って全身の動脈壁に及ぼす圧力のことを言います。血圧は起床から徐々に上昇し、12時頃が最高でその後徐々に下降し、就寝時に低くなるという日内変動があります。

また、就寝昼夜心身の安静時には低下し、心身緒緊張で上昇します。
血圧は心臓が収縮するときに最も高くなりこれを収縮期血圧(最高血圧)といいます。また心臓が弛緩するときにもっとも低くなりこれを拡張期血圧(最低血圧)といいます。

分類 収縮期血圧 拡張期血圧
至適血圧 <120 <80
正常血圧 <130 <85

血圧を構成する因子として5つあります。
左心室から送り出される血液量(心拍出量)、末梢血管の抵抗、血管の弾力性(緊張)、体内を流れる全循環血液量、血液の粘ちょう度の変化です。
・ 血圧=血液量×末梢血管抵抗
・ 脈圧=収縮期血圧-拡張期血圧
血圧測定には水銀血圧計やアネロイド型血圧計などによって測定する非観血的血圧測定と橈骨動脈に直接留置針を穿刺して動脈圧を測る観血的血圧測定があります。今回は水銀血圧計を使用した上腕動脈の非観血的血圧測定について説明します。

<目的>
・ 高血圧症の診断指標
・ 低血圧賞の診断指標
・ 循環器疾患に罹患しているときの状態観察
・ 降圧薬や昇圧薬の薬物治療中における効果判定
・ 血圧左右差、上下肢差から弁疾患や動脈瘤、大動脈狭窄症などの診断指標
・ 毎日の血圧変動把握

<適応>
・ 高血圧症患者
・ 低血圧症患者
・ 循環器疾患患者
・ 血圧の左右差がある場合(大動脈狭窄翔、大動脈炎症候群等)
・ 血圧の上下肢差がある場合(大動脈弁閉鎖不全、大動脈弓症候群、腹部大動脈瘤等)
<禁忌>
・ 動脈採血直後上腕での測定
・ 静脈採血直後上腕での測定
・ 透析患者のシャント形成側での測定
・ 輸液中の上腕での測定
・ 麻痺側での測定
<注意点>
・ 運動、食事、時排泄、入浴、喫煙直後に血圧測定をしないようにします。
・ マンシェッとは患者様にあったものを選びます。
・ 腕の高さと心臓の高さが同じになるような体位で測定します。
・ 測定部位の衣類を巻き上げたとき上肢を圧迫しないようにします。

<観察項目>
・ 血圧の左右差の有無
・ 血圧の上下肢差の有無
・ 普段との血圧との比較

<必要物品>
・ 水銀血圧計
・ 聴診器

<手順>
1、 器具の準備を行います。
・ 血圧計の点検を行います。
⇒水銀の漏れはないか、水銀柱は切れていないか、送気によりゴム嚢がふくらむか、膨らんだゴム嚢を押したとき水銀柱が上昇するか、排気弁を開放しゴム嚢を押したとき空気がスムーズに抜けるか
・ マンシェッとの幅が患者様に適しているか確認します
⇒上腕に対して幅が広すぎる物を選択すると実際の血圧値よりも低い値、小さすぎると高い値になります。
・ 聴診器が正常に聞こえるか確認します。
2、 患者様に準備してもらいます。
・ 今から血圧測定することを伝えます。意識のない患者様にも声をかけます。
・ 排尿や排便がある場合は済ませてもらいます。その後、5分以上安静をとってもらいます。
・ 仰臥位や座位をとってもらいます。
・ 腕の高さと心臓の高さがおなじになるようにします。
3、 マンシェットを巻きます。
・ ゴム嚢に空気が入っていないことを確かめます。
・ マンシェットが心臓の高さと同じになるように、肘関節から2~3cm上に上腕動脈がゴム嚢の中心に来るように巻きます。
・ 指が1~2本入る程度で巻きつけます。

血圧測定

 

4、 患者様の心臓と同じ高さに血圧計をおきます。また、水銀柱が看護師の目線と水平になるようにします。
5、 橈骨動脈上で脈に触れ、マンシェットを加圧しながら脈が消失する点で血圧値を読みます。(触診法)
6、 排気弁を開けて空気を抜きます。
7、 上腕動脈が触れる位置に聴診器の膜面を当てて、触診法で得た値よりも20~30mmHg高い値まで加圧して水銀柱を上げます。
8、 水銀柱の目盛りを見ながら2~4mmHg/秒くらいの速度で下がるように、排気弁をゆっくりと開放していきます。
9、 聴診器で最初に拍動(コロトコフ音)が聞こえた目盛り(収縮期血圧)、拍動が聞こえなくなったときの目盛り(拡張期血圧)を読みます。
10、 マンシェットをはずします。
11、 患者様の衣服を整えます。
12、 記録を行います。必要に応じて患者様に測定結果を伝えます。