点眼とは結膜に薬剤を滴下し薬物を吸収させる方法のことです。点眼された薬物は角膜から吸収されたり、結膜から強膜を通って吸収されて眼球に入る経路をたどります。
薬物を吸収させることにより、外眼部または前眼部の抗菌、防腐、収れん、縮瞳、散瞳、麻酔等を行うことを目的とします。

<適応>

・ 眼部の消毒
・ 眼部の殺菌
・ 眼部の消炎
・ 眼部の研鑽
・ 眼部の手術麻酔
・ 涙の代用

<点眼の回数>

Ⅰ、通常の点眼回数は3~4回/日です。症状によっては5~6回/日以上になります。
2、抗生物質の点眼は1~2時間ごとに点眼するものもあります。
3、1日1回または就寝前のみといった方法の点眼液もあります。

<必要物品>

・ 指示された点眼液
・ 指示書
・ 拭き綿
・ トレイ

<手順>

1、 患者様に点眼する説明を行い、承諾を得ます。また、意識のない患者様にも声をかけます。仰臥位または座位になってもらいます。
・ 仰臥位の場合はベッドの手前側に患者様を動かします。
・ 油性の点眼液は点眼後しばらく周囲がぼんやりとした状態で見えることを説明します。

2、 必要物品を準備します。
・ 点眼液は必ず指示書を確認し、名前、薬液名、点眼回数や時間を確認します。
・ 懸濁性の点眼液は使用前によく振って液を均一化します。
3、 衛生学的手洗いを実施します。
4、 患者様に氏名を名乗ってもらい本人であることを確認します。意識のない患者様はネームバンドを確認します。
5、 コンタクトレンズを装着している場合はコンタクトレンズをはずしてもらいます。
・ 薬物によってはレンズに吸収されてしまいます。レンズに吸収された薬物が高濃度となり、長時間にわたって作用され本来の薬効とは異なってしまう危険性があるからです。
6、 眼からの分泌物がある場合は拭き綿でふき取ります。
7、 座位の場合は頚部を少し屈曲してもらうように声をかけます。
8、 拭き綿を下眼瞼に当てて軽くしたに引きます。
9、 患者様に上方を見るように声をかけます。
10、 点眼液を下眼瞼結膜綿に滴下します。

<点眼時の注意点>

・ 点眼液のスポイト先端が睫毛や眼球結膜に触れないようにします。
・ 点眼液は滅菌してあるので、点眼容器内に汚染物質が入らないように注意します。
・ 通常の点眼量は薬液の指示によって異なりますが、結膜裏の薬液収納量が小さいため1滴で十分とされています。容量以上に点眼すると、瞬きによって涙管から涙嚢を経て鼻腔内に流れて鼻腔粘膜から吸収されてしまいます。また、眼瞼から溢れて口腔にはいって口腔粘膜から吸収されてしまうことになります。
11、滴下後、約1分程度眼を閉じてもらいます。
12、内眼角に拭き綿を当てて軽く抑えます。左右とも同様にします。
13、あふれた薬液はふき取ります。

 

 <点眼後の注意点>

・ 内眼角を押さえることで、点眼液が涙管から鼻腔に入るのを防ぎます。
・ 眼球に圧迫を加えないようにします。
・ 左右別々の拭き綿を使用します。
・ 点眼後は目をこすらないように説明します。
・ 瞬きをしないようにします。点眼後すぐに瞬きをすると薬液が涙と一緒に目からあふれ出てしまいます。そのため十分な量が与薬されなくなり、期待されている効果が得られなくなります。
・ 目から溢れた薬液をそのままにしておくと、眼瞼炎などの原因につながります。
14、数種類の点眼薬を同時に点眼する場合は、すくなくとも5分以上の間隔をあけます。
・5分以上点眼時間を空けることによって、点眼液の混ざり合いを防ぎ、それぞれの点眼液の十分な量、濃度が与薬されるようになります。
15、患者様に終了したことを告げます。
16、使用した物品を片付けます。
17、手洗いをします。
・伝染性眼疾患の場合は特に手指消毒を行います。また、患者様自身にも手洗いの必要性を説明しておきます。
18、点眼薬、点眼した目、時間等の記録をします。