突然ですが看護師の離職理由第一位をご存じでしょうか?

日本看護協会の調査(2015年度)による看護師の離職理由は

時間外労働が多い:約15%

夜勤・夜間対応の負担が大きい:約12%

勤務時間が長い:12%

休暇が取れない:12%

と看護師の労働時間に対するものが合計すると最大となります。

ちなみに、単独では肉体的な健康状態:22%となります。

これは過剰な労働などで健康状態を損ねてしまった場合もありますので実際には半分近くの看護師が労働時間・環境が理由で離職していると言えるでしょう。

 

なぜ労働時間・環境による離職が多いのか?

 

これは看護師だけの問題ではなく、日本という国全てに言える大きな社会問題です。

テレビをはじめとしたマスコミなどはこういった労働問題をあまり大々的には取り上げません。

理由は簡単で、スポンサーである企業の圧力がかかるからです。

国際競争を建て前として、企業は人件費の削除を常に進めようとしています。

しかし、日本には解雇規制があるため人件費の削除はなかなか進みません。

そこで企業は雇用を抑制し、残りの人員の労働時間を増やすことで対処しているのです。

1日6時間働く社員が2人いるより、1日12時間働く社員がいる方が企業側のコストは遥に少なくて済むのです〈社会保障費や交通費、各種手当などが少なくなるため)。

日本には自殺するほど仕事がないのに過労死するほど仕事がある

誰が言ったかは存じませんが、これ以上に日本社会を表した言葉を私は知りません。

もう少し突っ込んだことを言えば、1人に12時間働かせ、規定外の時間労働分の残業を出さずにさらにコストを下げている企業は少なくありません。

これらは一般的な企業の話ですが、看護師も同様です。

 

手当が支払われない「前残業」「院内研修」「持ち帰り仕事」

 

よく知られた話ですが、看護師の基本給与はあまり年次によって昇給しません。

看護師の給与は基本給+各種手当+残業代+賞与で構成されていますが、残業代や手当などがきちんと払われる病院ばかりではありません。

日本看護師協会が独自にした調査では、看護師の時間外労働の平均は月23.4時間ですが、そのうちきちんと給与が払われたのは8.3時間だそうです。

参考:日本看護協会調査資料

 

特に手当が支払われないのが「前残業」「院内研修」「持ち帰り仕事」の3種類だと言われています。

「前残業」と言うのは就業開始よりも早く勤務を始めることを指し、実に97%もの職員が残業時間として申告していない状況であるとされています。

 

勤務時間が長くなるとその分医療事故への不安も増える

 

看護師の離職理由の中でも「医療事故への不安」を挙げる人が約13%います。

そして、労働時間の長い看護職員程医療時間への不安が大きいことが調査の結果明らかになっています。

勤務時間が長ければ当然のように疲労の蓄積も大きくなります。

疲労の蓄積は判断力の低下や集中力の低下を招き、結果的には事故の発生率を大幅に上げてしまう原因にもなります。

そうなれば、誰にとっても望まない結果となってしまいます。

「三方良し」という言葉がありますが「三方悪し」な状態は避けるべきでしょう。

 

どうしたら残業や時間外労働の少ない看護師求人を探せるのか?

 

これはとても難しい問題です。

難しい理由としてはどこの業界でも「嘘求人」と「悪評隠し」が頻繁に行われているからです。

ブラック企業経営者の代名詞が国会議員になっている現実から考えても、国がそういった経営者連を擁護しているのは明らかです。

それが顕著に出ているのが「嘘求人」の問題でしょう。

「嘘求人」という言葉は聞きなれない方も多いと思いますが、求人票と実際の勤務内容が著しく違う求人のことを指します。

むしろそのままをきちんと書いてある求人票の方が少ないのではないかと個人的には思っています。

そうなってしまう理由は罰則がないことと嘘をつかないと人が集まらないことに起因します。

現在の所、嘘求人を取り締まる法律や規制は存在しません。

そんな馬鹿なと思うかも知れませんが、そんな馬鹿な行政なのが日本という素晴らしい国です。

また、素直に「サービス残業付60時間 各種手当はできるだけ支払いたくない」という本当のことを書いたら誰も集まらないのも大きな理由です。

更に問題をややこしくしているのが「悪評隠し」だと言えるでしょう。

これは私自身も体験したことがあるのですが、企業や病院などの悪い口コミを掲載すると「悪評隠し」を行う業者からの攻撃を受けます。

本当に警察に届けようかと思うほど悪質なものもあり、中には悪徳な弁護士たちが運営している業者さえ存在しています。

結果として本当に知りたい悪評は消され、当たり障りのない口コミだけが掲載されるようになる訳です。

そのため、本当の労働条件を知っている協力者を探すことが転職成功の為に最も重要な要素だと言えるでしょう。

 

転職手段の選び方はとても大事

 

先述したような状況ですので、残業代の少ない職場・労働環境の良い職場を得たいとお望みなら転職手段の選定は何より重要です。

基本的には「ハローワーク」「ナースセンター」「一部の転職サイト」を利用しての転職活動は個人的におすすめできません。

ハローワークは、慢性的に人手不足です。

試しに平日の昼間にハローワークを訪ねてみるとわかりますが、自治体によっては繁華街の中心並のにぎわいで、簡単な用事でも2・3時間は平気で待たされます。

そんな状態で求人票の精査など出来る訳がないですね? ハローワークの職員が個別の求人内容の実態まで把握するのは不可能です。

ナースセンターはハローワークよりは大分良い転職手段ですが、それでも求人内容を精査することをしてはいません。

そこに人員を割くことは事実上不可能でしょう。

そこで利用したいのが転職支援サイトですが、ある意味でここが一番要注意です。

なぜなら、転職サイトによっては「嘘求人」の作成を推奨している所があるからです。

むしろ最初に嘘求人を作り出すのが一部の悪徳サイトだとも言えるでしょう。

ご存じの通り看護師転職サイトは看護師が転職するたびに紹介手数料として基本的には年収の30%程を受け取ります。

会社によっては従業員に厳しいノルマを課している所もあり、そういった転職エージェントは無理やりのように看護師に転職を勧めますし、病院側には人が集まりやすい嘘求人の作成方法を教えるのです。

ですので、転職サイトの中でも優良なサイトを選ぶ必要があるのです。

 

参考:目的別お勧め転職手段