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一口に看護師と言っても、所属しているクリニックや科によって仕事も違います。

同じ看護師でも他の科のことはよく知らないという方も多いのではないでしょうか?

そこで、「ある看護師の一日シリーズ」を始めたいと思います。

記念すべき第一回目は整形外科内科にお勤めのFさんの一日です。

病棟や救急外来でバリバリ働いてきた方は「クリニックは短調な仕事でやりがいがない」「医療や技術のレベルが低い」「じっくり患者様と向き合えない」と思っている方は多いのではないでしょうか?

クリニックといえば患者様が行かれる医療機関の第一歩ですので、もちろんそこで求められる技術や知識は病棟とは違います。かといって、病棟と比べて「仕事が短調」という事も「技術や知識のレベルが低い」事もありませんし、患者様とは一期一会になる事も多いですが十何年もお付き合いのある患者様もいらっしゃいます。

また大きな病院ではそれぞれ専門のスタッフ(放射線技師やPTなど)がいる為役割分担ができていたり、受け持ち患者様が決まっている事が多いので看護だけに重点がおかれていますが、クリニックでは患者様の事だけではなく薬品や器械類の管理、時にはレントゲンのフォローやリハビリ室との連携が必要になってくるのでそちらの知識も身につきます。

 

クリニック(整形外科内科)の一日

 

《クリニックの1日》

 

8:30 出勤。診察室・処置室の準備&簡単な掃除

 

8:50 朝礼。各部署の本日の予定や、来院予定の患者様の注意点など報告

 

9:00 午前の診療開始。採血・心電図などの検査や処置、診療助手を行う

 

12:00~12:30 患者様の診察が全て終わり次第午前の診療終了

 

12:40~13:00 月に2~3回製薬会社の勉強会

月1回全体ミーティング(1ヶ月の反省や改善点などを話し合う)

 

13:00~14:30 昼休み

 

15:00 午後の診療開始。午前同様、処置や検査を行う

 

18:30 午後の受付終了。掃除・滅菌物の処理・シーツの交換・翌日の準備を行う

 

19:00 診察が全て終わり次第午後の診療終了。残業はほとんどなし。

 

19:05~19:10 終礼。気になった症例や患者様、1日の反省などを報告

 

19:15 退勤

 

一日の仕事の始まりは、診療の準備から始まります。整形外科では消毒を行う事が多いので各消毒液の用意をします。アルコールアレルギーの患者様の為や外傷や処置前消毒など用途が違うので数種類の準備が必要です。あとは医師が診察しやすいように整理整頓や、レントゲンを見るためのPCの準備などです。

診察が始まると、処置室担当と診療助手に分かれて仕事をします。処置室では、定期的に筋注や皮下注・点滴をする患者様や、検査(採血・心電図・ABIなど)の患者様のカルテが来院順に回ってくるので、注射や点滴の内容をダブルチェック(忙しい時は一人で)おこない詰めて施行します。大体の患者様が定期的に通っている方ばかりなので、「とっても良くなってきたのよ~。この注射のおかげね」と声をかけてくれる方も多くいらっしゃいます。また診察では聞けなかった薬や注射の疑問だったり、身体の不調を看護師に相談してくる患者様は多くいらっしゃいます。看護師が親身に聞いて医師に引き継ぐ事で診察もスムーズになりますし、すぐに疑問を解決して差し上げる事によって不安の解消にも繋がります。ただ処置や検査を行うだけではなく、短い時間ながらもカルテを見て既往歴や服薬内容を把握したうえで情報収集をし観察を行って異常の早期発見にも努めなければなりません。例えば‘今日は診察なしで採血だけ’の患者様に眼球黄染がみられた場合すぐに診察を受けてもらえるように手配をします。救急性がなくても浮腫が強く出ていた場合など「採血の項目に心臓腎臓電解質の検査を追加してはどうでしょうか」とその場で医師に相談すると、症状を確認のうえ必要があれば追加してくれます。クリニックの良い所のひとつとして医師との距離が非常に近いので、すぐに確認して指示がもらえる為、患者様のためになると思います。大変な事としては、立て込んでくると同時に2~3人の患者様を一人で見るためかなり集中力が必要です。点滴を二人つなげている間にもう一人採血などの場合もある為、それぞれの患者様の情報を間違いなく覚えていないといけません。あと看護師一人体制の場合は、採血や点滴は失敗出来ません。自分ができなければ医師に変わってもらう他ないので、忙しい診察の合間にお願いするのは本当に恐縮してしまいます。プレッシャーもありますが、数もこなすのでかなり上手くなると思います。

診療助手担当の場合は、診察の内容を聞いてどんな治療や検査がされるか先回りして準備をします。例えば症状を聞いてリウマチかなと思ったら、医師がリウマチ検査の指示を出せるようにあらかじめ必要な検査伝票を医師の手元に用意します。先回りする為にはいろんな疾患の症状・検査・治療の知識が必要になってきます。言われてから実行したのでは患者様と医師を待たせる事になってしまうので先回りが重要です。クリニックは掲げている科だけではない科で受診してくる方も多いので、かなり幅広く知識がつきます。あとは内視鏡やエコーなども行うのでその検査の準備や補助、外傷の時は消毒~包帯までの処置、医師が施行する注射の準備と補助、カルテを医事課に回す前に本日行った検査や治療・処方内容に漏れがないかなどをチェックしたりとかなり多岐にわたります。外科系は処置も多いので仕事も多くなりますが、内科のみや診療科によってはここまで仕事は多くないと思います。

たまにですが急変する患者様もいらっしゃいます。ですが意識喪失のような急変は滅多になく、できる事はバイタルチェックとルートの確保と酸素吸入ぐらいで、救急車を呼びます。病棟のように急変にドキドキする必要もないですし、医師が近くにいるので安心です。

 

一日の業務の合間を見て、薬品や資材の在庫をチェックし卸業者に発注する業務もあります。処置やオペで使用した器械類も消毒し、オートクレーブで滅菌を行います。自分達が使うものは自分達で管理していかなければなりませんが数は多くないので、日常の業務としてはあまり負担にはなりません。

 

クリニックの規模にもよると思いますが全職員数が少ないところも多いので、人間関係を築くのが苦手な人は慎重になる事もあります。ただ、溶け込めてしまえば親密度はかなり高まるので仕事もしやすいのではと思います。時給も高く設定されていてパート募集も多いので短時間しか働けなくても十分な収入になりますし、お子さんが小さくてもパートなら時間の調節もしやすく安心です。また、年末年始やお盆などクリニックは休みなので家族と過ごす時間も多いです。勉強会も短時間で、研究もありません。

 

確かに高度な医療ではありませんが、求められている事を全力でやろうと思えば「短調」でも「低レベル」にもなりません。自分次第でとってもやりがいのある職場になると思います。

 

「クリニックの1週間」

 

月曜 1日診療(整形外科・内科)

火曜 1日診療(整形外科)

水曜 1日診療(整形外科・内科)

木曜 休診日

金曜 1日診療(整形外科・内科)

土曜 午前診療、(整形外科)