日本看護協会の調査によりますと、給与に関する離職理由(常勤)は

給与額に不満:約3%

手当額に不満:約3%

昇給に不満:約2%

とかなり低い水準になっています。

因みに看護師の離職理由1位は健康状態の損傷、転職理由の第1位は労働時間の不満、2位は人間関係となっています。

給与が理由で転職したとは言わない。なぜなら…

 

「転職支援金を出すことを嫌う医療機関は多い」という話をどこかで聞いたことがある方も多いかも知れません。

転職支援金というのは、看護師転職支援サイトが転職成功者に支払うお金のことを言います。

ご存じのように転職サイトは病院などの医療施設に看護師を紹介し、その紹介料として年収の30%から50%近くを売り上げとして計上することで成り立っています。

転職支援金はその売上を少しでも転職者に還元しようという仕組みなのです。

Q:それの一体何が悪いの?

A:転職支援金目当てで質の悪い看護師が来るから

我が国では伝統的にお金のために働くというのは浅ましい行為として忌み嫌われています。

看護活動は神聖な行為でお金の問題じゃないんだ!!!という下地があると言えるので、お金のために転職をするのは質の悪い人間だと見做される訳です。

「私はお金が目当てでこの人と結婚しました!!」

本音がそうであったとしても、聞いていて気持ちのいいものではないと思います。

建て前でも「人柄に魅かれて」とか「とても博識なところが魅力的に思い」などと言った方が良いのと同様、金銭目的で転職したとは言わない方が質の良い看護師だとみられる訳ですね。

本音は隠し、建て前で行動するのが大和民族の伝統です。

それが良いか悪いかは別としても、こういった調査は記名式で行われるため「給与」が上位に来ない訳です。

極端な話、今の給与が半分になりますがとてもやりがいがあるお仕事です。残業なども少しありますが支払う余裕はないんです。手当も薄い、託児所なども併設してませんし、最寄の駅からは遠いです。でもやりがいはあります!!

こう言われたらほとんどの方は転職しないと思います。

給与以外の条件も悪いのですが、仮に「半減」の所を「倍額」にしたらどうでしょう?

魅力的な案件に見えてこないでしょうか?

 

給与が高い案件には注意が必要

 

看護師の転職手段は日々多様化しています。

特にインターネットの発達により求人票などを検索してみることも今では容易となっています。

中には給与額が非常に高く魅力的な案件もあるのですが、そういった案件にこそ注意が必要です。

なぜその案件の給与額は高いのか?

それを考えてみる必要があります。

基本的に看護師の給与額は病院の規模が大きくなるほど高くなる傾向にあります。

これは、看護師の給与が基本給よりも手当や賞与、残業代などによる部分が多いことが影響しています。

看護師の基本給は年次による昇給幅が低く、残業や夜勤手当などによるところが多いのですが、現代日本ではどこの会社もそうであるようにサービス残業が横行しています。

公立や国立の大学に勤める所謂公務員看護師などは残業代が出ないと言うことはありません。

言葉は悪いですが、放蕩経営だろうとなんだろうと国が経営しているので赤字でも運営出来る訳です。

一方民間の医療施設では資力が足りないためどこかでコストカットをしようとします。

「どこか」とは当然人件費です。

人員を少なくすると業務が回らない、人員を増やすと社会保障料などの負担が増えるから人を増やしたくない。

じゃあ、今いる人間をもっと働かせればいいんだ!

という結論に至る訳です。その結果がサービス残業などの横行です。

そういった医療施設は人がすぐ辞めます。

すぐ辞めてもすぐ補充すればいいやと思っているので従業員への手当なども少なくなります。

公共の求人サービスを利用すれば採用コストが抑えられる為いくらでも人員が補充出来問題がない訳です。

大規模な病院であるほど相対的に経営は安定するようになっており(補助金も大きいなどの理由)、サービス残業の時間は少なく、教育コストや各種手当、何よりも賞与が充実しています。

同じ市内の無作為に選んだ500床以上の大病院と小規模診療所を比較すると賞与の差が4倍ということもザラです。

大規模病院にいるともっと忙しくない小規模診療所で働きたいと思い、実際に転職をして後悔するというのもよくある話です。

「なぜその案件の給与額は高いのか?」という部分に戻りますと「高い給与額を餌に人員を補充する為」というのが最も多い答えとなるのです。

病院の規模が大きい、国公立、自由診療であるなどの理由以外で給与が高い場合はブラック病院である可能性が飛躍的に高くなります。

別の記事でも触れていますが、所謂「嘘求人」の問題はなくなりません。

良く見ると「給与例」と書いてあり、実際に従業員の中で最も恵まれた部分を抽出し存在しない給与モデルを作り出している求人票も今や珍しくないのです。

 

転職エージェントにだけは本当のことを伝えても良い

 

実際に医療施設側と面接には必ずと言っていい程転職したい理由を聞かれます。

高校の面接と同じようなもので「近かったから」などと言わない方が良いのと同様やはり「給与がよかったから」とは言わない方が良いでしょう。

ただし、あなたの味方になってくれる転職エージェントだけは例外です。

エージェントはあくまであなたをサポートする立場なので建て前で話していると結局は自分が損をします。

転職を希望する際は、転職軸をしっかりと決め、それを伝えた上で一緒に転職をするのが成功の秘訣です。