日本看護協会の調べによりますと、離職した常勤看護師の内1割は離職理由として看護師以外の職場への興味を理由として挙げています。

参考:日本看護協会平成26年度調査

今回は看護師が看護師としてではなく転職をする際に注意すべき項目を見ていきましょう。

1:給与の大幅ダウンは覚悟しておかなければならない

 

 

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現在看護師の平均年収は470万円前後で推移しており、これは男女を含めた民間企業の平均年収である400万円前後を上回る数字になっています。

 

 

対して民間企業の働く女性の平均年収は282.9万円となっており、雇用形態別に見ると以下のようになっています。

・正社員:337.8万円

・契約社員:275.5万円

・派遣社員:242.7万円

 

参照元:国税局民間給与実態

 

詳しい話は後述いたしますが、看護師から一般企業に就職する際には、正社員への就職は基本的によほど運がよくなければできないでしょう。

よしんば正社員に就職できたとしても、看護師としての業務を行っていた時の給与水準にいたることは夢のような話であり、ましてやそれ以上を得ることは夢のまた夢であるということはあらかじめ覚悟しておきましょう。

 

2:看護師としての経験を一般企業は評価しない

 

現在は非正規雇用が労働人口の40%を超えるなど、正社員として働くことが難しい世の中となっています。

参照:総務省労働統計局

雇用者側から見ると、正社員には解雇規制があり、社会保障料増大によるコストがかかるなどよほどのことがない限り非正規雇用で賄いたい、賄わざるを得ないというのが実情となっています。

一般的に転職をする場合は新卒採用と異なり「即戦力」を期待しています。

看護師から看護師として転職する場合とそのあたりは同様です。

そのため一般転職では「経歴」が非常に重視される訳ですが、看護師から転職をする場合「未経験」として扱われます。

同じ「未経験」ならコストも低く労働寿命の長い新卒を優先して採用することになります。

そのため、看護師が一般企業に転職する際には正規雇用はかなり難しいということを覚悟する必要があります。

 

3:一般企業での就業経験を医療機関は評価しない

 

前項と同種であり真逆もまたしかりです。

看護師から一般転職をした場合、かなりの人が再び看護師として就職を望むようになります。

そしてその場合採用を行う医療機関が一般企業での就業経験を評価することはありません。

関連:看護師転職と経験加算

いわゆる「キャリアの断絶」が起こる訳です。

一般企業にしても医療機関にしても、キャリアの断絶のない労働力を欲しているというのが本音です。

実際、キャリアの断絶のない看護師の離職率とある看護師の離職率では前者のほうが圧倒的に低い、すなわちずっと看護師としてブランクなく働いている人の継続率が高いという統計結果も出ています。

そのため、再び看護師として働きだす際にはむしろマイナスに働くということは覚悟しておいたほうがよいでしょう。

 

ブラック病院よりもブラック企業の方がはるかに数が多く悪質

 

近年何かブラック企業及びブラック病院が世間を騒がせています。

現在の政権は事実上経団連の言いなりであり、いかに労働力を安く使うかということにしか関心がありません。

その結果ブラック企業がのさばっている現実を、日本国民ならだれもが認識していることでしょう。

ブラック病院で働くことは恐怖です。

関連:ブラック病院で働くという恐怖

しかし、ブラック企業で働くということはその比ではないほどの恐怖だと言えます。

2008年、お二人の看護師が過労でお亡くなりになってしまいました。

その結果を受けて日本看護協会が看護師の残業にかんする調査を行ったところ、平均して23.4時間という結果が出ています。

参照:日本看護業界実態調査

基本的に月60時間の残業は危険であるとされています。

では、実際にブラック企業がどれほど残業させているのか?

産経新聞に掲載されたある記事を一部引用したいと思います。

 

亡くなった男性は、東京都杉並区のアニメ制作会社の元社員で、平成18年から21年12月まで正社員として勤務。制作進行と呼ばれる現場の調整役を務め、人気アニメ「おおきく振りかぶって」「かんなぎ」などに携わった。過労で鬱病になり、通院したが、退職後の22年10月に自殺。新宿労働基準監督署が労災と認定した。

遺族側代理人の弁護士によると、会社にタイムカードで労働時間を管理する仕組みはなかったが、通院先のカルテには「月600時間労働」との記載があり、残業時間は多い時で344時間に上った。

 

引用元:産経新聞社

 

これがブラック企業、日本を喰らう蛇と言われる企業の真実です。

仮に男性が亡くならなかったとすれば? この労働環境が世にでることさえなかったでしょう。

これは氷山の一角です。

表に出ない、もっとすさまじい労働条件のもと働いている人間もいることでしょう。

看護師から一般企業に就職するということは、こういった企業に転職をしてしまう可能性があるということを覚悟しなければなりません。

 

それでも看護師から一般企業に転職する場合

 

一般企業に転職する場合も看護師として転職する際と同様、もしくはそれ以上に転職軸をしっかり決めることが重要となります。

関連:転職軸とプライオリティの重要性

自分がどのような転職をしたいのかという部分を明確にするということは軽視されがちですが非常に重要なことです。

また、看護師転職同様やはり味方となるエージェントの存在は不可欠だと言えるでしょう。

看護師転職サイトと違い、大手の一般転職サイトは登録した後は勝手に求人情報を見て勝手に企業とコンタクトを取って、という所がほとんどですが、看護師転職サイト同様エージェントが付くところもあります。

一般転職ということであっても、やはりエージェントの存在はあったほうが良いでしょう。

定番どころのリクナビエージェントなどを利用するのが一般的です。

ただ、一般のエージェントは看護師転職サイトのエージェントほどサポートは厚くないことがほとんどですので注意しましょう。

さらに、先述いたしましたように正社員での転職はかなり厳しく、派遣としての転職も選択肢に入れる必要があります。

派遣のお仕事の場合は派遣業者に登録をし、そこから一般企業に派遣される形になります。

ジョブリンクハタラクティブハケンなどの企業が有名です。

 

本当に看護師をやめるのかもう一度考えてみましょう

 

「看護師から一般企業に就職するメリットはありますか?」ともし聞かれたら、ただの1つも残念ながら浮かびません。

あらゆる観点から考えても、看護師資格を活かした転職をするほうが良い結果になるでしょう。

看護師をやめたい理由は人によって違うと思います。

「医療事故が怖い」「夜勤・夜間の負担が大きい」「自立性」が認められない。

そういった悩みを持っている人でも、現在は介護施設などの職場で働く、非正規ではあっても採血だけを行うなどの方法もあります。

まずは今抱えている悩みが看護師として転職をすることで解決できないのかを考えることから始めることが重要です。

頼りになる転職エージェントに相談することで意外な解決を見せることもあるかも知れません。

参考:看護師転職サイトランキング

それでもどうにもならなかった時、初めて一般企業への転職を考えるのが良いでしょう。

その際には、上記したリスクを負うことを覚悟した上で転職活動を行いましょう。