呼吸器科への転職を考えておられる看護師の方に向けて

呼吸器科の業務や役割などを見ていきましょう。

呼吸器科の業務について

 

呼吸器科では、肺、気管、気管支などの呼吸に関する臓器の治療を行っています。

主に投薬治療を行う呼吸器内科、手術(肺癌や気胸など)を行う呼吸器外科に分かれています。

医療機関によっては、呼吸器内科、呼吸器外科がそれぞれ別の病棟に分かれている場合があります。また、クリニックなどの外来では呼吸器内科のみ行っている場合がほとんどです。

 

呼吸器科の看護師の役割とは

 

呼吸器科における看護師の役割は、医師の指示に従い、患者を適切に管理すること、患者の呼吸状態の異変にいち早く気が付くことです。

 

実際の看護業務の内容は勤務場所により異なりますが、一般的な病棟勤務や外来勤務と大差はありません。臨床経験のある人であれば、一度は行ったことのある処置やケアばかりです。

 

病棟勤務の場合は、患者のバイタルサインの測定や全身状態の観察、注射や点滴の準備や実施、内服介助、日常生活援助、清潔ケアなどです。その他、肺癌の化学療法や放射線治療、疼痛管理のための麻薬管理、人工呼吸器管理なども行う場合があります。

呼吸器外科のある病棟の場合は、オペ後の患者の管理も行います。バイタルサインの観察や水分出納管理、創部や排液の観察を行います。疼痛が増強する患者も多いので、適宜鎮痛剤の使用、体位交換の援助を行います。

主に肺癌、気胸、膿胸、縦隔腫瘍などのオペが行われることが多いです。手術部位の大きさや、疾患の程度によって内視鏡下で実施する場合と、開胸で行う場合があります。

 

クリニックなどの外来では、医師の診療の補助、点滴などの投薬、患者への生活指導、その他の雑用(掃除、事務作業など)を行います。

COPDの患者や、気管支喘息の患者など、生活指導が必要な患者も多いです。特にHOT(在宅酸素療法)や気管支喘息の吸入を行っている患者には入念な指導が必要な場合もあります。

 

私の呼吸器科での経験談

 

私は、約700床の総合病院の呼吸器科で4年勤務していました。二交代勤務の病院で、年収は約500万円でした。4週8休で、夜勤は4~5回/月、残業はほぼ毎日2~3時間行っていました。その他にも早番、遅番がありました。タイムカードが導入されていなかったため残業時間は自己申告制でした。

日勤は8時15分から17時15分まで、夜勤は16時から翌朝9時15分までです。申し送りを聞いた後に環境整備、清潔ケアに回り、その後患者のケアを行っていました。合間に交代で休憩をとり、カルテ記入を行います。

具体的な業務としては、呼吸器内科では、主に肺癌患者の化学療法や放射線治療の補助、緩和ケア、人工呼吸器患者のケアなどを行いました。呼吸器外科では、肺癌や気胸の術後観察、外科回診時の包帯交換介助などを行いました。患者のケアがとても多く、毎日忙しく仕事をしていました。その分とてもやりがいがありました。

 

呼吸器科で働いていて辛かったこと

 

患者が亡くなる時がとても辛かったです。

肺癌は死亡率が高いがんの一つです。そのため亡くなる患者がとても多く、看取りは頻回にありました。化学療法などの治療のため入退院を繰り返すので自然と患者とは仲良くなっていきます。仲良くなった患者が亡くなる様子を見るのはとても辛かったです。何回経験しても慣れるものではありませんでした。

 

呼吸器科で働いていてよかったこと

 

呼吸器疾患に関する知識を身につけられたことです。

頻繁に勉強会があったので病態や治療、看護についてなど様々な情報を得ることができました。呼吸器科ドクターによる勉強会も頻回に行われていたので、教科書に載っていない知識まで得ることができうれしかったです。

 

呼吸器科で役立つ本

 

『病気がみえるvol.4呼吸器』がおすすめです。

とても有名なシリーズなので、知っている人も多いと思います。肺や気管支などの構造や、疾患の病態などが豊富なイラストでわかりやすく書かれています。イラストもカラーなので見やすいです。説明も簡潔でわかりやすいので、患者に病気について説明する場合にも役立ちます。

 

呼吸器科で働くメリット

 

呼吸器科で働くメリットは、様々なスキルを身に付けることができる、ということです。

呼吸器疾患の知識や看護はもちろん、肺癌患者のケアを通して、がん看護についても学ぶことができます。

また、呼吸器疾患を持つ患者は高齢者が多く、息切れや呼吸苦のある患者も多いです。そのような患者の状態に合わせたコミュニケーションを行うスキルも身に付きます。

 

呼吸器科に向いている人・いない人

 

呼吸器科に向いている人は、患者に寄り添い、辛い気持ちに共感できる人です。

前述のとおり、高齢者や呼吸苦のある患者がたくさんいます。呼吸苦のある患者は頻回にナースコールで助けを求めてくる場合も多いです。そのような場合、患者の辛さに共感し、ひたすら寄り添うことが必要になります。多少忍耐も必要かもしれません。

 

一方で呼吸器科に向いていない人は、看取りをしたくない人です。

呼吸器科では患者が亡くなる場合が多く、看取りや死後の処置は大切な看護業務の一つです。死を見つめるのが辛い、という人は辞めておいた方がいいでしょう。