小児科の看護師業務や役割などは一体どのようになっているのでしょう?

小児科の業務

小児科では、生命の誕生から二次的成長が終わったとみなされる時期までの人を看護の対象とするとされています。しかし、脳性まひや進行性筋ジストロフィーの方は20歳を超えても小児科で入院加療されています。小さな子どもは、大人のように説明をすぐに理解できなかったり、状況をすぐに受け入れることが出来ません。そのために、人形を使ったり、紙芝居を使って処置や検査、手術の説明(プリパレーション)をしたりします。その他には、患者さんの状態を把握するためのバイタルサイン測定、必要な治療(点滴、吸引、吸入など)、検査(採血、腎生検、腰椎穿刺、骨髄穿刺など)保清(清拭、シャワー、洗髪、沐浴など)を行います。

 

小児科の役割

 

小児看護では、入院中の子どもとその家族が再び健康な生活を送ることができるように必要な援助を行っていきます。また、入院中の子どもにとって、病気の経験自体が不快で苦痛な経験となります。行われるケアや処置がもたらす不快で苦痛な思いが最小限になるように、プリパレーションを用いたり、看護の知識や技術を駆使していきます。大人とは違い、子どもは成長発達の段階にあります。そのため、健康な子どもの成長発達の知識を持って、子どもの表現や訴えを理解しながら、何が必要なのか、何がして欲しいのかといった直接的な看護に結び付けて実践していきます。また、入院中の子どもだけが看護の対象ではありません。母親や家に残された兄弟を含めた家族全体も対象となります。母親が悩んでいたら相談に乗ったり、母親が疲れていたら父親にそのことを伝えたりなどして、その家族が上手く機能するように働きかけることも一つの役割です。

 

私の小児科での経験談

 

30以上の診療科、900床以上の病院で2交替勤務をしていました。日勤は8時15分~17時15分まで、夜勤は16時~翌朝9時30分まででした。夜勤は仮眠として2時間ありましたが、忙しい場合は仮眠なく働くこともありました。3年目には年収約500万円程度だったと思います。夜勤は平均して4~5回/月、残業は2~3時間でした。残業以外にも時間外で委員会業務、勉強会の準備を行っていました。給料は安くありませんでしたが、勤務時間外の労働が多かったので給料を安く感じるほどでした。夏休みは手術入院が多いので、1日に入院を2~3件とり、翌日の手術準備をしたり、受け持ち患者さんの手術出し、術後管理、緊急入院があれば緊急入院もとっていました。夏休みは夜22時くらいまで帰れませんでした。

 

小児科で働いて辛かったこと・よかったこと

 

小児科で働いて辛かったことは、子どもの死です。成人病棟では、ご高齢の場合は蘇生処置を何も行わず見取りを行う場合が多いと思います。大人はどこかで寿命といった考えがよぎると思います。しかし、小さな子どもの場合これからあるはずの未来が経たれた時ほど辛いことはありません。また、その子どもを目の前にして泣き崩れている両親の姿はいたたまれません。これ以上辛いことはないと思います。

小児科で働いてよかったことは、子どもの笑顔、子どもの素直な心に触れられる時です。いくらしんどい勤務をしていても、子どもの笑顔を見たらしんどさも吹き飛びます。また、子どもはとても素直です。こちらも一生懸命応えたくなります。

 

小児科に必要なスキル・読んでおくと良い本など

 

小児科に必要なスキルはプリパレーション、輸液の管理(シーネ固定や漏れていないかの確認方法、挿入部を触らないための工夫)シリンジポンプや輸液ポンプの使用方法、輸血管理、血圧測定時のマンシェットの選択方法、座薬の挿入方法、検尿の方法、浣腸の方法、吸引、吸入器の使用方法、採血、腎生検、腰椎穿刺、骨髄穿刺、人工呼吸器に関する知識、蘇生方法、子どもの体の特徴に関する知識、子どもの成長発達に関する知識などが必要になると思います。

基本的な看護技術に関する内容の本に加え、子どもの成長発達に関する内容やプリパレーションの内容に関する本を読んでおくと役に立つと思います。

 

小児科で働くメリット

 

小児科で独身の時に働いておくと、結婚をして子どもが出来て、子どもが病気になった時にこの状態は家でみていても大丈夫なのか、受診したほうが良いのかの判断が出来ます。また、受診した時の医師の説明もよくわかり、心配なことも的確に質問することが出来ます。急に子どもが入院になった時に、入院までの流れや入院してからの段取りがわかるため、あせらずに済みます。入院してからも、この内容は看護師に申し出ても大丈夫とか、この内容は聞いておいたほうが良いなど色々なことに気がつき役に立ちます。また、子育てを経験してから小児科に勤務すると、独身の時とは違って、付き添いのお母さんの気持ちがよくわかるようになります。こんなことに困っているのではないか、家に残しているきょうだいはどうかなど、お母さんの目線にたった言葉がけが自然にできるようになり、付き添いのお母さんとの関係が築きやすくなります。

 

小児科に向いている人・いない人

 

小児科に向いている人は子どもが大好きな人です。小さな子どもは痛みや辛さを言葉では上手く表現できません。なぜ泣いているのだろう、なぜ怒っているのだろうとその子どもの気持ちになって親身に考えられる人がむいていると思います。また、子どもが入院すると家族の生活もがらりと変わってしまいます。そのために、入院中の子どもだけでなく母親や入院中の子どものきょうだいを含めた家族全員を考えて看護が出来る人がむいていると思います。

一方、小児科に向いていない人は子どもが嫌いな人です。また、子どもが大好きでも付き添いのお母さんへの対応が苦手な方、子どもの死と直面できない方です。小児科は子どもだけが看護の対象ではありません。また、小さな子どもが亡くなるときは胸が押しつぶされそうになります。これらに向き合うことができない方は、小児科に向いていないといえます。