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「風邪という病気はない」とよく言われます。

今回は現役ナースであるMさんに風邪について知っておいて欲しい知識を記事にしてもらいました。

 

1.   風邪(ウイルス感染)には、抗生物質がありません。

 

093735s風邪の原因には、ウイルスと細菌があるのですが、9割以上はウイルスが原因で、残りの1割は細菌感染となります。

風邪ウイルスの数は200種類以上!!!

注意!!!:インフルエンザウイルスは風邪の原因ウイルスではありません。

抗生物質とは、細菌に効果のある薬剤となります。

風邪ウイルスを特定するのは、どちらかというと不可能に近く、風邪を起こすウイルス1種類の抗ウイルス薬を開発したとしても、毎年少しずつ変異してしまう賢いウイルス!!!次の年には、ウイルスが抗ウイルス薬の1歩先を行ってしまい、抗ウイルス薬の効果がなくなってしまいます。

風邪をこじらせてしまい、細菌が原因の肺炎、気管支炎、中耳炎などには、抗生物質が効果があり、早期に服用されたら理想ですね。

なので、ウイルス感染の場合に限っては、抗生物質はウイルスを退治する役割から見た時には、対象とするものが違うので効果がありません。逆に不必要な作用、抗生物質服用による副作用で苦しまなければいけないかもしれません。

抗生物質の副作用には、次のような症状が出現しやすいです。

 

  • 下痢

 

原因には、抗生物質によって、私達の腸の中に共生している善玉、悪玉腸内細菌を殺してしまうからです。

悪玉腸内細菌だけが死滅してしまうなら問題ないのですが。。。

私達の腸の中にいる常在菌は100種類以上あり、数として表現すると100兆個と言われています。

想像しやすい表現をすると、私達の健康維持に欠かせない排便!!この便の、およそ半分は、腸内細菌と腸内細菌の死骸だそうです。

こんなにも、私達の便の中に腸内細菌が含まれているのかと、驚きを隠せないですよね。。。

悪玉腸内細菌は、私達の健康維持に害を及ぼします。悪臭のある腐敗物質を作って、便秘、下痢、食中毒を起こしやすくします。結果的に発がん性のある物質を作り、がん、心臓病、脳卒中など、具体的な病気を発病する可能性が高くなります。

善玉腸内細菌は、私達の健康維持に欠かせない細菌です。私達には消化不可能な食物繊維を分解し消化できるように支援してくれます。そして、病原菌が増えないように抑制し、有害物質が作られるのも抑制し、そして体内へ吸収されるのも抑制し、私達の身体の感染防御の働きをしてくれます。そして、排便があるように、腸の動きを良好にします。

下痢は、抗生物質の服用によって、腸内細菌のバランスが崩れてしまい起こる症状です。

本当に、抗生物質が必要な時に内服する必要がありますね。

 

  • 肝臓機能障害

 

抗生物質を内服すると、薬の代謝や解毒を肝臓が行います。肝臓の代謝、解毒は生命維持に欠かせない機能です。

薬が原因の肝臓機能障害のことを薬物性肝障害と呼びます。

症状には、だるさ、食欲低下、発熱、黄疸(皮膚や白目が黄色くなった状態)、発疹、吐き気、嘔吐、かゆみなどです。

万が一、抗生物質を内服して風邪の苦痛症状が強くなる!?風邪の症状としてあった症状以外の症状、だるさや食欲低下がなかったのに出現する。。。発熱がなかったのに発熱が出現した。。。黄疸(全身の皮膚や白目が黄色くなった状態)は、風邪症状には有り得ない症状なので、最近、どんな薬、抗生物質を飲んだか!?お薬手帳を持って受診、または、内服薬を持って受診し、医師に薬の内服状況を詳しく説明し早期に適切な診断、治療を受ける必要があります。

 

  • 腎臓機能障害

 

抗生物質を内服すると肝臓で代謝され、腎臓から尿として排泄されます。

症状には、尿の量がいつもより少なくなる、またはほとんど出ない、逆に尿の量が多くなったりします。他にも、発疹、手足などのむくみ、体のだるさが症状として出現する可能性があります。

注意が必要な方の特徴として、もともと腎機能の低下のある方、糖尿病、動脈硬化、脱水、高齢者の方々となります。

肝臓機能障害の時と同じく、抗生物質を服用後に出現した新たな症状には注意が必要ですね。そして、お薬手帳などを持ち、医師へ抗生物質などの内服状況を伝えた上で、速やかな診断、治療を受けられたら回復も早いですね。

 

2.   風邪の症状

 

  • 発熱

 

発熱があると、解熱剤で早く体温を下げようとしてしまうけど、そもそも、発熱がどうして起こるのか考えてみましょう!?

発熱は、体内に侵入した風邪の原因となっているウイルス、細菌の働きを弱め、私達の生体防御反応を活発にするために起こしている状況です。

1度、普段より体温が上昇することで、免疫力に欠かせない白血球の働きを5~6倍、活発に活動できるようになります。逆に1度、普段の体温が低下すると白血球の働きが30%鈍くなってしまいます。

 

例外として、体温上昇が激しい場合(継続して39度の高熱があり、とてもつらい時)や、危険回避のための解熱剤使用は、行った方がよいです。

 

  • 咳、くしゃみ、鼻水、痰

 

体内に侵入した、風邪ウイルス、細菌を早く外へ出そうとして出現している症状です。

風邪薬の内服は、生体 防御反応として出現している症状、咳、くしゃみ、鼻水、痰などを抑えてしまい、風邪ウイルス、細菌を体外へ出す機会を少なくしてしまっています

 

3.   風邪薬

 

認識として、風邪薬は、咳を少なくする、くしゃみを出なくする、鼻水を少なくする、痰を少なくするなどの薬です。

風邪を根本的に治すには、風邪の原因となっているウイルス退治に効果がある抗ウイルス薬が必要ですが、毎年、変異を少しずつ繰り返すウイルスへの薬開発には困難が伴います。そして、相手とするウイルスの種類が200種類以上と多すぎます。

風邪は普通、2週間以内で完治します。

身体を温めて体温を保持し、加湿と休息が必要不可欠です。

発熱があれば、発汗もあるので、こまめな水分摂取を忘れずに行います。

食欲がなければ、無理に摂取せずに、水分摂取は必ず行います。食欲低下が起こる原因に、自己免疫機能を高める方向に血流が使われていることが考えられます。胃腸部分の消化機能の方向に最小限しか血流がないのかもしれません。臨機応変な対応が必要ですが、無理して食べて胃腸に負担をかけてしまうより、消化管の安静を保った方が自己免疫機能を高められ、風邪の治りが早くなるかもしれません。