脳血管障害による後遺症で長期間経管栄養を必要とする場合や、意識障害・高度な認知症によって経口摂取できない場合は、胃瘻からの栄養補給が適応となります。

 

胃瘻は、局所麻酔下で内視鏡を使用し腹壁の皮膚から胃の内側まで孔を開け、カテーテルを通して造設します。そこに栄養チューブを接続して栄養物を注入することが胃瘻からの栄養補給方法です。

 

胃瘻カテーテルは体外固定版と胃内固定版で固定され抜けないようになっています。

胃内固定版にはバルーン型、バンパー型があります。

それぞれに体外固定版がボタン型、チューブ型の2種類ずつあります。

 

 

胃瘻を行うメリットとして

  • 経鼻栄養とは異なりのどの不快感が少ない
  • 経口摂取のリハビリや言語訓練を行える
  • 誤嚥性肺炎のリスクが低い
  • 在宅で介護を行う場合、経鼻栄養よりも管理が容易

デメリットとして

  • 造設に手術を必要とする
  • 手術に伴う合併症が起こる可能性がある
  • 胃瘻周囲のただれといった皮膚トラブルの発生
  • などがあげられます。

 

<必要物品>

 

  1. 経管栄養ボトル
  2. 経管栄養セット
  3. カテーテルチップ注射器
  4. 持ち運び用トレー
  5. 軽量カップ
  6. 微温湯(37~40度)
  7. 経管栄養剤
  8. 滅菌ガーゼ胃瘻がボタン型の場合は接続チューブ
  9. その他:スタンド

 

<手順>

1、 衛生学的手洗いをします。

2、 物品の準備を行います

① 栄養剤を人肌程度に湯煎します

② 液状でバックや缶に入っているものは指示された濃度に微温湯を加えて調整します。

③ 経管栄養セットを滅菌パックから取り出し、クレンメを閉めておきます。経管栄養ボトルに温めた栄養剤を注入します。

④ 一式をスタンドにかけます。

⑤ 滴下筒(ドリップチェンバー)をおしてその中に栄養剤を3分の1~2分の1程度になるよう満たします。

⑥ クレンメをあけチューブの先端まで栄養剤を満たします。このときチューブの先端をコップや軽量カップ等に入れて操作を行い、先端が不潔にならないように注意しましょう。

⑦ クレンメを閉じます。

3、 必要物品をトレイにのせてベッドサイドにいき患者様に説明をします。その際、嘔気、腹部膨満感、腹痛がないか確認しましょう。

4、 患者様を上体挙上の体位(ファーラー位、セミファーラー位等)にします。

ファーラー位

セミファーラー位

5、 胃瘻に胃瘻用チューブの先端を接続して逆流があるか確かめます。
(胃瘻周囲の皮膚発赤、炎症、潰瘍の有無を合わせて観察しましょう)

① チューブ型カテーテルの場合は固定位置と長さの確認をしてからしっかり差し込みます

② ボタン型の場合はボタンと接続チューブの印を正確に合わせ、手ごたえがあるまで押し入れます。このとき腹部を圧迫しすぎないように注意しましょう。接続チューブを4分の3回転しロックします。

押し入れた後

ロック後


6、 クレンメをゆっくり開けて注入を開始します。

このとき注入の速度が速いと腹部膨満感、悪心、嘔吐、ダンピング症状(頻脈、下痢)を起こす場合があるので注意しましょう。通常1回量300~500mlを15分~30分かけて注入します。あくまでも目安なので本人の症状にあわせこの速度よりゆっくり落とすこともあります。

7、 注入終了後クレンメを閉じます。

8、 チューブにカテーテルチップ注射器から30ml程度の微温湯を注入しチューブに残った栄養剤を流します。

9、 胃瘻から経管栄養セットのチューブをはずし、胃瘻チューブの蓋を閉めます。必要に応じてガーゼで先端を保護します。

① チューブ型カテーテルの場合は経管栄養チューブをはずし、胃瘻チューブの蓋を閉めます。

② ボタン型の場合は接続チューブを装着時と逆に回しロックをはずします。そして、接続チューブを除去したあと胃瘻ボタンの蓋を閉めます。(手順5と逆です)

10、注入後、30~60分は上体挙上の姿勢をたもちます。

11、使用した物品はよく洗浄し、乾燥させます。

① 洗浄方法は、食器洗浄剤で洗った後水道水で流し消毒液(ミルトン10ml+水1L)に浸します。

② 自然乾燥または清潔な布巾やキッチンペーパーで水分をふき取ります。