310019アウトリーチとは、重度の障害者の自宅などに診療所の方からチームを組んで、訪問して、治療を行うという形態をいうものです。特に、精神科系の患者さんによく使われる方法です。診療契約を結んでから、アウトリーチを行います。チーム医療として医師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士等の有資格者がそれぞれの専門の分野を担当し、24時間365日の体制で訪問看護をします。

 

 

妄想などがあり、目張りをしていて引きこもり、昼夜逆転していて、夜中に大声が聞こえるなどの近所からのクレームや通報などで、警察に通報があるということもよくあることです。この場合、地域の保健所などへ連絡がはいります。通報は、町内会長さんだったり、民生委員ということもあります。保健所の保健師さんから精神科病院や精神科診療所へ連絡が入るということもあります。一緒に受診ができるとそれは、外来通院ということで一応、医療につながりますが、家族でも外来受診させることができなかったり、独居だったりした時に外来受診を距離した場合には、アウトリーチなどが向いています。

 

チーム医療では、医師も看護師も、作業療法士も、精神保健福祉士も誰が上ということはありません。チームで支えています。中には、誰と誰で担当するということを決めるスタッフが医師だったり、精神保健福祉士だったりということもあります。特定の患者さんの権利擁護(アドボカシー)を確立しながら治療を行うためには、多角的な面からの支援が必要です。医療的な診断や治療方針を決めるのは医師の仕事です。その指示の下で、看護師が医療的な処置を行います。服薬管理ということもあります。リハビリテーションからいうと作業療法士の担当です。医療の中でも社会福祉の分野の資格者として精神保健福祉士がいます。生活者の立場に立って、傾聴を重視して、患者さんの支援を行います。信頼関係が築かれてくると、何も話せなかった方でも、困っていることなどを話出されたりということもよくあります。親が亡くなり、引きこもっていて、その後病状が出てきて、問題行動に至っていたりということもあります。通院していた人が、受診を中断してしまって、悪化しているということもあります。長年医療とは無縁で、社会とも無縁でという人もいます。

 

申請主義という言葉がありますが、行政での制度を受けるためには、介護保険も医療保険も各種の制度も減免制度もすべて自己申告して申し出をしなくては、制度の利用はできません。なかなか専門的であったり、複雑であったり、人と接することが苦手で、申請に行けないという人も中にはいます。この場合、代行申請を精神保健福祉士が行うということもあります。各種制度につなげて、生活しづらさを解消していく、生活の主体者になるということを支援したりもします。

困る人がいるという時に、実は、近所の人が困るという以上に、その当事者は、もっと困って苦しんでいるということもあるのです。その原因は、病気による妄想だったり、生活能力が無かったり、支援が受けられなかったりということがあるのです。

 

介護保険対象は、特定疾患がある方は、40歳からでも介護保険の対象です。その他の方は、65歳からです。アウトリーチでは、介護保険につながる方は、介護保険につなげて、介護申請をして、ケアマネージャーを付けてもらい、介護保険のサービスを受けることもできます。介護保険は自立支援医療という精神科の医療保険よりも優先となります。

アウトリーチを受けながら、別の医療機関に通うということも可能です。

 

アウトリーチ専門で診察をしているという診療所もあります。患者さんを支えるうえで、各担当スタッフの連絡調整は重要で、この連絡調整の役割を精神保健福祉士が担当します。

アウトリーチを受けた人の中には、高齢ではないけれども、脳の疾患から、高速道路を逆走していたり、事故を度々起こしたりという人もいます。家の中は時間が止まってしまったような印象を受ける人も多いです。片づけもできなかったり、ごみを出す日がわからなかったり、トイレが詰まって排水できない状態のまま何年も経っているというような人もいます。自分ではどうしようもなく、困ってはいるけれども、どうしていいかわからないという人も多いのです。

 

2025年には、激増するとされる認知症も精神科の病気です。老老介護が認知症同士で生活している状態になり、認認介護のような状態の人も多くいます。とりあえずは、年金があるので、生活はできるものの、役所からくる書類をまったく理解できずにいるという人もいます。このような家に、長年引きこもり生活をしてきた、子供といっても、60代という子供がいて、その方が、精神疾患があるというような家もあります。この場合、本人を支えるだけではなく、家族への支援も必要になってきます。

チーム医療の中で、精神保健福祉士は、患者さんの生活者の視点から、経済的な支援も相談にのっています。