4111d441ffb46b4a54770a3308d4bf50_m静脈内注射とは、静脈を穿刺し静脈内に直接薬液を注入する方法です。

一般に100ml以下の薬液を注射器により注射し、大量に注射する場合は点滴静注法を用います。

血液中に直接薬液を注入するため迅速かつ協力に薬の効果が得られますが、副作用を起こす危険性も高くなるため、使用する場合は十分に注意して観察を行います。

薬液は末梢静脈から右心⇒肺循環⇒左心⇒体循環の経緯をたどります。

 

1目でわかるこの記事の内容!

<目的・適応>

 

  • 緊急対応や麻酔の導入の場合
  • 速やかに血中濃度を上昇、正常化させたい場合
  • 各種負荷試験や造影剤、前投薬といった注射以外では実行不可能な場合
  • 経口や消化管投与では薬の効果が得られない場合
  • ビタミン類の捕球
  • 酸塩基平衡の是正
  • 電解質の捕球や補正

 

<必要物品>

 

・医師の指示に基づいた注射箋

・注射薬

・アルコール綿(アンプルカットまたはバイアルゴム栓消毒用)

・注射器(注射指示量に合う物を選択します)

・注射針(21~23Gを使用します)場合によって翼状針・肘枕・駆血帯

・トレイ ・医療廃棄物用容器

・アルコール綿(患者様消毒用)またはヒビテンを浸した綿(アルコール過敏症の患者様用)・固定に必要なテープ・乾綿

・手袋

 

<手順>

 

1:患者様の準備をします。

 

  • 患者様にこれからどのような目的で注射を実施するか説明し承諾を得ます。意識のない患者様にも声かけを行います。

 

2:衛生学的手洗いを実施します。

 

3:必要物品を準備します。

 

① まず、医師の指示に基づいた注射箋で準備した注射薬が間違いないか(氏名、 薬物名、用法、量、投与時間、投与方法、患者様のアレルギーの有無)を確認します。ダブルチェックが望ましいです。特に準備薬剤は準備時、注射器に吸う前、注射器で吸い上げた後3回チェックすると良いでしょう。

 

② 注射針の包装を3分の1程度はがし不潔にならないように注射器に接続します。

このとき針先の断面とメモリが一致するように接続します。

③ 薬液を準備します。

 

Ⅰ、アンプルの場合

 

アンプルの上部を持つかアンプルの上部を指先ではじいて薬液をアンプルの下に落とします。アンプルネックをアルコール綿で消毒します。

注射器で薬液を必要量吸い上げます。注射器をアンプルの口元において吸引し薬液が減るにしたがってアンプルを少しずつ横に傾けていくと吸引しやすいです。

アンプルネックに表示されている●マークをアルコール綿で覆いマークを上にして反対方向に折ります。このときガラス片が混入しないように注意しましょう。

 

 

Ⅱ、バイアルの場合

 

バイアルのアルミ蓋をとり、ゴム栓をアルコール綿で消毒します。アルコールが乾いたら注射器に薬液と同量の空気を入れます。注射針をゴム栓に垂直に差込み、注射器の中の空気をバイアルの中にいれます。バイアルを上にして必要な薬液量を吸います。必要薬液量と同量の空気を入れることにより、バイアル内が陰圧になることを防ぎ、薬液を吸引しやすくなります。

 

④ 注射器を垂直に立て一度内筒を引きます。こうすることで注射針内にある薬液を外筒内に落とし適切な液量を調節できます。バイアルから薬液を吸いだした場合は針を付け替えます。

⑤ 注射器を軽く指ではじき、薬液を吸い上げるときに混入した気泡を筒先に集めます。このときはじく振動で注射針を飛ばさないように注意しましょう。注射針と注射器の接続をしっかりしておきましょう。

⑥ 内筒を押して空気を押し出し必要な薬液量に調節します。

 

4:患者様に氏名を名乗ってもらい本人であることを確認します。意識のない患者様はネームバンドで確認します。患者様に座位または穿刺しやすい体位をとってもらいます。

 

5:手袋をします。

 

6:注射部位を選択します。

注射部位として肘窩、手背、前腕部の皮静脈が選択されます。

よく使用される血管を以下にあげます。

上肢:手背皮静脈、前腕正中皮静脈、肘正中皮静脈、橈骨正中皮静脈、尺側皮静脈橈骨皮静脈

頭部:外頚静脈

下肢:足背皮静脈、大伏在静脈

7:駆血泰を注射部位より中枢側にまき、末梢静脈を怒張させます。

縦6~7cm、横5cm程度の楕円を中心から通ったところは再度通らないようにしながら円を描くように消毒します。必ず乾燥させましょう。アルコールは乾燥することで消毒効果を発揮します。

 

8:利き手と反対側の母指で注射穿刺部位の手前を引っ張るようにし血管を固定します。

 

9:注射器のメモリと針の断面を上に向け、注射針を皮膚と約15~20度の角度で穿刺します。穿刺後さらに静脈内へと針先を進めます。

 

10:針先が血管内に入っていると少し血液の逆流が認められます。注射器の内筒を少し引いて逆血があれば駆血帯をはずします。このとき手先の痺れがないか確認も行います。

 

11:注射器が動かないように針基が患者様の皮膚に押し付けるようにしっかり固定し、ゆっくりと薬液を注入します。

 

 

12:注入後、患者様に悪心や嘔吐、顔面蒼白、発汗、呼吸促迫といった症状がないか観察します。

 

13:穿刺部位をアルコール綿で軽く抑えながら針を抜きます。穿刺部位を止血するまで圧迫します。

 

14:抜針部位に乾綿をあてテープで固定します。(完全に止血していたら不要です)

 

15:患者様に終了したことを告げます。そして患者様の衣服を整えます。

 

16:使用した物品をトレイに戻し片付けます。針や注射器は医療廃棄物容器に捨てます。