093940呼吸理学療法は通常は理学療法士が行なうものです。

しかし、その内容は看護師にとっても非常に重要なものであり、その基本を知っておくことで呼吸器疾患患者の日常的な看護に生かすことが出来ます。

呼吸理学療法の目的は全部で5つあります。

一つ目は呼吸に必要な筋力を維持すること、二つ目は呼吸器を守る肋骨や胸郭の変形を防ぐこと、三つ目は胸郭の柔軟性を維持すること、4つ目は補助呼吸になれること、5つ目は楽に痰を出せるようにすることです。

それぞれについて説明していきます。

 

呼吸に必要な筋力を維持する

 

日常的な呼吸にかかわる筋肉は肋骨の間についている肋間筋や横隔膜です。

これらの筋肉は長期間の臥床によって容易に筋力が低下し、患者の呼吸能力を低下させます。

訓練方法には発声練習や腹式呼吸、深呼吸などがあります。いずれも大きく肋間筋や横隔膜を使用することで筋力の回復を図る方法です。

呼吸訓練のための医療機器もあります。ユニフロというものであり、ホースから息を吸うと機器内のボールが上がるのでそれを目安にして呼吸練習を行ないます。子供でも理解しやすいというのが大きなメリットです。

抵抗量をかえることで患者に適した訓練が出来ます。

 

呼吸器を守る肋骨や胸郭の変形を防ぐ

 

肋骨や胸郭の変形を防ぐのは装具を使用するのが一般的です。

先天的な病気が対象になることが多いため、装具起立訓練など小さいときからの予防が大事といえます。

胸郭が硬くなってしまうと肺が膨らむことが出来なくなるため十分な呼吸を行なうことが出来ません。

 

胸郭の柔軟性を維持する

 

そのため、胸郭の柔軟性は非常に重要です。胸郭の柔軟性を保つには胸郭についている筋肉などの軟部組織が硬くならないようにすることが重要です。

ストレッチによる柔軟運動が有効で、体幹を回旋や側屈によって柔軟を図ります。

また上肢の動きも呼吸の予備能力に大きく影響するため、肩周辺を中心にストレッチを行います。

 

補助呼吸になれること

 

補助呼吸というのは介助者の援助を受けて呼吸をする方法です。

いくつかの方法がありますが、理学療法でよく行なわれるのは用手胸郭圧迫法という方法です。

患者が息を吐くときに胸郭を圧迫することで多くの息を吐くことが出来ます。

多く吐くことが出来れば、多くの空気を新たに取り込むことが出来るため患者としては呼吸が非常に楽になります。この呼吸法に慣れておくと風邪等のいざという時に患者は介助をかりて楽に呼吸をすることができます。

 

楽に痰を出せるようにすること

 

最後は楽に痰を出す方法です。痰を出すために大事なのは体位です。

痰が肺から口のほうへ行きやすい体位にしてあげることが重要です。

最初は聴診器を使用して痰が肺のどこにあるのかを判断します。痰の位置によって患者を適切な体位にします。

後は痰がある部位をさすったり、手でバイブレーターのような振動を与えてあげます。

すると痰が口の近くまで移動するので吸引装置によって吸い込むことで患者の呼吸はかなり楽になります。

看護師の仕事は多忙なため、これらを行うことは難しいかもしれません。

しかし、体位変換などの際に痰が出やすい体位にしてあげるなどの工夫で患者を楽にしてあげることが可能です。