筋肉注射は筋肉の筋層に薬液を注入する方法です。

筋肉内は血管が豊富にあるため薬液は簡単に末梢血管内に吸収されていきます。

そのため、薬液吸収の速さは皮下注射の2倍となります。油性や懸濁液などの吸収されにくい薬液も吸収可能となります。

皮下注射か筋肉注射かといった注射方法の選択は薬液の性状によって決定します。

筋束間結合から毛細血管に入り末梢静脈から右心に達し肺循環、左心、体循環の経緯をたどります。

 

1目でわかるこの記事の内容!

 <必要物品>

・ 医師の指示に基づいた注射箋
・注射薬
・アルコール綿(アンプルカットまたはバイアルゴム栓消毒用)
・注射器(2.5ml~5ml)
・注射針(21~23Gおもに22Gを使用します)
・トレイ
・医療廃棄物用容器
・アルコール綿(患者様消毒用)またはヒビテンを浸した綿(アルコール過敏症の患者様用)
・手袋

 

 <手順>

1、 患者様の準備をします。
・ 患者様にこれからどのような目的で注射を実施するか説明し承諾を得ます。意識のない患者様にも声かけを行います。

2、 衛生学的手洗いを実施します。

3、 必要物品を準備します。

① まず、医師の指示に基づいた注射箋で準備した注射薬が間違いないか(氏名、 薬物名、用法、量、投与時間、投与方法、患者様のアレルギーの有無)を確認します。ダブルチェックが望ましいです。特に準備薬剤は準備時、注射器に吸う前、注射器で吸い上げた後3回チェックすると良いでしょう。

② 注射針の包装を3分の1程度はがし不潔にならないように注射器に接続します。
このとき針先の断面とメモリが一致するように接続します。

③ 薬液を準備します。
Ⅰ、アンプルの場合
アンプルの上部を持つかアンプルの上部を指先ではじいて薬液をアンプルの下に落とします。アンプルネックをアルコール綿で消毒します。
アンプルネックに表示されている●マークをアルコール綿で覆いマークを上にして反対方向に折ります。このときガラス片が混入しないように注意しましょう。
注射器で薬液を必要量吸い上げます。注射器をアンプルの口元において吸引し薬液が減るにしたがってアンプルを少しずつ横に傾けていくと吸引しやすいです。
Ⅱ、バイアルの場合
バイアルのアルミ蓋をとり、ゴム栓をアルコール綿で消毒します。アルコールが乾いたら注射器に薬液と同量の空気を入れます。注射針をゴム栓に垂直に差込み、注射器の中の空気をバイアルの中にいれます。バイアルを上にして必要な薬液量を吸います。必要薬液量と同量の空気を入れることにより、バイアル内が陰圧になることを防ぎ、薬液を吸引しやすくなります。

④ 注射器を垂直に立て一度内筒を引きます。こうすることで注射針内にある薬液を外筒内に落とし適切な液量を調節できます。バイアルから薬液を吸いだした場合は針を付け替えます。

⑤ 注射器を軽く指ではじき、薬液を吸い上げるときに混入した気泡を筒先に集めます。このときはじく振動で注射針を飛ばさないように注意しましょう。注射針と注射器の接続をしっかりしておきましょう。

⑥ 内筒を押して空気を押し出し必要な薬液量に調節します。

4、 患者様に氏名を名乗ってもらい本人であることを確認します。意識のない患者様はネームバンドで確認します。
5、 注射部位を選択します。筋肉層が厚く神経や血管走行の少ない筋肉、主に三角筋、中臀筋が使用されます。まれに大腿四頭筋外側広筋が用いられます。
・ 三角筋の部位選定:肩峰の3横指下

・ 中殿筋の部位選定:四分三分による方法は腸骨稜最後部と臀溝の中心を結ぶ線と殿裂と臀部側縁の中心を結ぶ線で臀部を4等分します。その中心点から45度に線を延ばしてその中心点と腸骨稜を結ぶ線を3等分した外側3分の1です

・ クラークの点による方法は腸骨の前上棘と後上棘を結んだ線の外前3分の1です。

・ ホッホシュテッターの部位は掌のクボミを大転子に合わせ人差し指の先端を腸骨前上棘にあわせて中指を広げ、人差し指と中指を開いたV字の中央付近です。

6、 手袋をします。

7、 縦6~7cm、横5cm程度の楕円を中心から通ったところは再度通らないようにしながら円を描くように消毒します。必ず乾燥させましょう。アルコールは乾燥することで消毒効果を発揮します。

8、 注射部位の筋肉を大きくつかみ皮膚を進展させます。

9、 注射器のメモリと注射針の切り口を上に向け、45~90度の角度で刺入します。注射針の3分の2程度までにとどめましょう。また、筋肉の厚さ、皮下脂肪量を考慮します。

10、 手先の痺れや痛みがないか確認します。

11、 シリンジの内筒を軽く引き逆血がないことを確認します。このとき注射器が動かないようにしっかりと固定しておきます。

12、 薬液をゆっくりと注入します。

13、 注入後、アルコール綿を刺入部に軽く添えて針を抜きます。

14、 注射部位を軽くマッサージします。刺入部に以上がないか確認します。

15、 使用した針は医療廃棄物専用容器に処理します。

16、 患者様に終了したことを告げます。衣服を元に戻します。

17、 使用した物品を片付けます。