経鼻的に栄養チューブを挿入し、栄養チューブを通して消化管内に栄養成分を注入する方法です。口腔か食事を摂取できない場合や、経口摂取だけでは栄養が不足する場合に栄養状態の維持や改善のために行います。初めて経鼻栄養を行う場合は経鼻チューブ挿入後、5~30分程度胃蠕動が収まるまで待ちます。

 

⇒経鼻チューブ挿入方法

 

 

<適応>

 

・ 口腔外科手術後
・ 咀嚼や嚥下機能に障害がある場合
・ 静脈栄養から経口摂取への移行期
・ 顎関節固定中の場合
・ 神経麻痺や意識障害のある場合
・ 食道がんや上部消化管に障害がある場合
・ 潰瘍性大腸炎やクローン病などの下部消化管の安静が必要な場合
・ 神経性食欲不振症の場合

 

 <禁忌>

・ 口、鼻、食堂に通過障害があり、栄養チューブ挿入が困難な場合
・ 栄養吸収が期待できないほどの腸の障害がある場合
・ 下部消化管に高度の狭窄や障害がある場合

 

<必要物品>

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・経管栄養ボトル

・経管栄養セット

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・カテーテルチップ注射器(胃内留置確認用、お白湯用)
・持ち運び用トレー

・軽量カップ

・微温湯(37~40度)

・経管栄養剤

・聴診器

・スタンド

 

<手順>

 

1、 衛生学的手洗いをします。

2、 物品の準備を行います

① 栄養剤を人肌程度に湯煎します
② 液状でバックや缶に入っているものは指示された濃度に微温湯を加えて調整します。
③ 経管栄養セットを滅菌パックから取り出し、クレンメを閉めておきます。経管栄養ボトルに温めた栄養剤を注入します。
④ 一式をスタンドにかけます。
⑤ 滴下筒(ドリップチェンバー)をおしてその中に栄養剤を3分の1~2分の1程度になるよう満たします。
⑥ クレンメをあけチューブの先端まで栄養剤を満たします。このときチューブの先端をコップや軽量カップ等に入れて操作を行い、先端が不潔にならないように注意しましょう。
⑦ クレンメを閉じます。

3、 必要物品をトレイにのせてベッドサイドにいき患者様に説明をします。

4、 患者様を上体挙上の体位(ファーラー位、セミファーラー位等)にします。

5、 経鼻チューブの先端が胃内にあるか確認します。

① 注射器で胃液を吸引します。
② 聴診器を上腹部に当て、空気を少量注射器で注入しながら、胃内の空気音を確認します。

6、 内服がある場合は内服薬を先に注入します。

7、 経鼻チューブと栄養チューブをしっかりと接続します。チューブを引っ張ってしまいそうな患者様はチューブを引っ張らない位置(枕の下にチューブを通す等)にセッティングします。または、承諾を得て注入中ミトンを装着してもらいます。

8、 クレンメをゆっくり開けて注入を開始します。
このとき注入の速度が速いと腹部膨満感、悪心、嘔吐、ダンピング症状(頻脈、下痢)を起こす場合があるので注意しましょう。通常1回量300~500mlを15分~30分かけて注入します。あくまでも目安なので本人の症状にあわせこの速度よりゆっくり落とすこともあります。

9、 注入終了後クレンメを閉じます。

10、チューブにカテーテルチップ注射器から30ml程度の微温湯を注入しチューブに残った栄養剤を流します。チューブ内の栄養剤残留による腐敗を防ぐためです。

11、経鼻チューブを引っかからないようにまとめます。

12、注入後、30~60分は上体挙上の姿勢をたもちます。重力により栄養剤の逆流を防止します。そして、十二指腸への流れをスムーズにします。仰伏位にすると、栄養剤が逆流して気管に入り誤嚥を起こす危険性があります。また、胃の中に入っても、胃の蠕動運動が十分に行われなかったり、幽門部の狭窄などがあると栄養剤が胃の中に長時間停滞することにより胃膨満感や嘔吐などが起こる危険性があります。

13、使用した物品はよく洗浄し、乾燥させます。
① 洗浄方法は、食器洗浄剤で洗った後水道水で流し消毒液(ミルトン10ml+1L)に浸します。
② 自然乾燥または清潔な布巾やキッチンペーパーで水分をふきとります。