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ピンクリボンとは、乳がんについての正しい知識を広め、乳がん検診の早期受診を推奨することなどを目的として行われる世界規模の啓発キャンペーンやそのシンボルのことです。

ピンクリボン運動の始まり

 

世界規模のピンクリボン運動 ピンクリボン運動は、アメリカの乳がんで亡くなられた患者家族が、「このような悲しみが繰り返されないように」との願いを込めて作ったリボンからスタートしました。

乳がん患者が8人に1人と増えつつあった1980年代のアメリカで始まり、行政や市民団体、企業などが乳がんの早期発見をするためのイベントを開催し、ピンクリボンをあしらった商品を配布してその売り上げの一部を財団や研究団体に寄付するなど、積極的に取り組むことで市民や政府の意識を変えました。

このような運動の結果、欧米諸国では乳がんで命を落とす患者が90年代から徐々に減少に転じています。

日本におけるピンクリボン 生涯に乳がんを患う日本人女性は、現在12人に一人と言われ増加の一途を辿っています。

日本でのピンクリボン運動が広く知られるようになったのは2000年代に入ってからのことです。

2000年に乳がん患者支援団体が東京タワーをピンク色にライトアップしたことがきっかけでした。

日本における乳がん患者の急増という背景もあり、年々ピンクリボン運動の規模が拡大しています。

現在、協賛企業や市民団体が多数存在し、各種セミナーやイベントの開催、商品販売などの活動が行われています。

毎年10月1日はピンクリボンデー、また10月はピンクリボン月間とされ、乳がんの早期発見、検診受診を呼びかける啓発活動が日本中で行われています。

日本の乳がんの実情は 乳がんの罹患者数も、乳がんによる死亡数も増加しています。 年齢別に見た場合、乳がんは30代から増加し、40代後半から50歳代前半にピークを迎えます。

胃がんや肺がん、大腸がんなどのような高齢になるにつれ増加するがんとは異なり、比較的若い世代でも多くなっています。

壮年層の女性死亡原因トップは乳がん

 

壮年層(30~64歳)の女性では、がん死亡原因のトップが乳がんです。

従って若い時から関心を持つ必要があります。

しかし、乳がん検診受診率は欧米諸国と比較すると大変低くなっています。

OECD(経済協力開発機構)加盟国が70~80%に対し、日本では30~40%、およそ3人に1人と極めて低いのが現状です。

乳がんは2㎝以下のしこりでリンパ節への転移がない状態であれば、約90%の人が10年後も生存している、つまりはほぼ完治しているという結果が出ています。

また、小さなうちに発見できれば、乳房の温存も可能になります。

乳がんは早期発見により適切な治療が行われると、良好な経過が期待できる疾患であり、その検診受診率を上昇させようとピンクリボン運動では呼びかけています。

広報活動だけではなく夜間や休日の診察機会を設ける、女性医師による診察や女性技師による各種検査など、検診に足を運んでもらうための工夫が各地でなされています。 セルフチェックの重要性 早期発見のためにはセルフチェックが大切です。

ピンクリボン運動では乳がんのセルフチェックについて、20代から月に1度のセルフチェックを心がけるように広く呼びかけています。

月経終了後1週間くらいの乳房が柔らかい時に、自分の両胸を見て触る習慣をつけます。

閉経後は毎月日にちを決めて行います。毎月行うことで、乳房の異常に気付きやすくなります。

 

具体的な乳がん検診は?

 

40歳を迎えたら、2年に1度乳がん検診を受けることが国の指針で進められています。

乳がん検診では問診やマンモグラフィー、超音波(エコー)検査、医師による診察が行われます。

 マンモグラフィー 乳房のX線検査

乳房をプラスチックの板で挟み、専用の撮影装置で斜め方向と上下方向を撮影します。

医師または放射線技師が行います。

腫瘍の有無、腫瘍の大きさや形、「石灰化」の有無が分かります。

石灰化とは乳腺の中に存在するカルシウムの沈着物のことで、乳房には様々な石灰化が見られることがあります。

石灰化の7割は良性ですが、乳がん細胞の一部やがん細胞の周囲の壊死によって石灰化が起こることがあります。

乳がんの約半数は石灰化するので、マンモグラフィーで触診では発見できない5mmくらいの小さながんも発見できます。

若い人は乳腺が発達しているため、マンモグラフィーでは乳がんの発見が困難なことがあります。

 

超音波検査

 

乳房に超音波をあて、画像で異常の有無を調べる検査です。

良性の乳腺症やしこりのようなものから、乳がんまで早期に発見することができます。

マンモグラフィーのような痛みはありません。医師または臨床検査技師が行います。

超音波を使用しているためⅩ線のような被曝がなく、妊娠中でも安心して検査を受けることができます。

マンモグラフィーと乳腺超音波エコーでおおむねの診断は可能ですが、確定できない場合や、より詳細を調べる時には生検や乳管内視鏡検査が行われます。

ピンクリボンアドバイザー ピンクリボンアドバイザーとは乳がんについての専門知識を持ち、主体的に行動する新しいボランティアです。

認定試験の合格をもって認定されます。

疾患についてだけでなく、検査、治療やピンクリボン運動について正しい知識を学び、周りの人々の乳がん検診のきっかけを作るためにできた認定制度です。

認定者の名前や所属は「ピンクリボンアドバイザー認定者」として公開されています。

病院や検診施設などの各種医療機関のみならず、ピンクリボン運動を支える団体や企業などに所属する認定者が多数おり、様々な背景の人々が、様々なかたちで乳がんと関わっています。